インプラント

インプラント手術後の過ごし方の注意

インプラント手術後の過ごし方の注意

「インプラント手術を受けた後は、どんなことに気をつけて過ごせば良いの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、手術後のケアによってインプラントの成功率は大きく変わります。特に、 手術当日は安静にすることが重要です。インプラント手術直後の過ごし方についてご説明します。

手術直後に気をつけること

手術後の注意点は以下のようなものです。患者さんは事前に注意点を書き出した印刷物を受け取ることが多いです。

安静に過ごす

無理に動き回ると出血が増える可能性があります。手術当日はなるべく安静にし、ゆったりとした時間を過ごしましょう。

患部を触らない

舌や指でインプラントの入った部分を触ると、細菌感染のリスクが高まります。違和感があってもなるべく触らないようにしましょう。

うがいを控える

「手術後はしっかりうがいをしたほうがいいのでは?」と思われるかもしれませんが、強いうがいは出血を引き起こすことがあります。手術当日はなるべく控えましょう。

血が出ても慌てない

手術後しばらくは唾液に少量の血が混じることがありますが、通常は自然に治まります。出血が多い場合は清潔なガーゼを軽く噛んで圧迫し、30分ほど様子を見てください。

手術直後は、傷口が安定するための大切な時間です。焦らず、ゆっくりと回復に専念しましょう。

手術後の痛みや腫れの対処法

「手術後にどのくらい痛みが出るの?」と不安な方もいらっしゃるでしょう。 **多くの患者さんは、軽度の痛みや腫れを経験します** が、適切に対処すれば大きな問題にはなりません。

痛みと腫れの対処法

痛み止めを適切に使用する

手術後に処方される痛み止めを医師の指示通りに服用してください。痛みが出る前に飲むことで、症状を和らげやすくなります。

患部を冷やす

手術後の数時間は、頬の外側からアイスパックや冷やしたタオルで冷やすと腫れが抑えられます。ただし、長時間の冷却は血流を悪くするため、10分冷やして10分休むなど、適度に行いましょう。

腫れのピークは2〜3日後

手術後すぐよりも、2〜3日後に腫れが最大になる傾向があります。しかし、その後は徐々に落ち着いていくので、慌てずに過ごしましょう。

痛みや腫れは手術の正常な回復過程の一部です。焦らず、適切に対処することが大切です。

食事のポイントと避けるべきもの

手術後の食事は「何を食べたらいいの?」と悩む方も多いでしょう。 **傷口に負担をかけない食事を選ぶことが大切** です。

食事のポイント

柔らかい食べ物を選ぶ

おかゆ、スープ、ヨーグルト、豆腐など 噛む必要が少ないものがオススメです。

熱いものを避ける

手術後すぐに熱い飲み物や食べ物を摂ると、血流が増えて出血しやすくなるため注意しましょう。

アルコールや刺激物を避ける

アルコールや辛い食べ物は傷口の治癒を妨げる可能性があります。最低でも1週間は控えるのが理想です。

手術後の食事は回復を助けるための大切な要素です。適切な食事を心がけ、スムーズに回復しましょう。

口腔ケアの注意点

「歯磨きはいつから再開していいの?」と気になる方も多いでしょう。 術後のケアを適切に行うことで、感染リスクを減らせます。

口腔ケアのポイント

手術当日は歯磨きを控える → 患部に強い刺激を与えないよう、 当日は歯磨きを避けましょう。

翌日からは優しく磨く → 翌日からは通常の歯磨きを再開できますが、 **手術部位を避けてやさしく磨くことが重要** です。

消毒液で軽くすすぐ → 医師から処方された消毒液がある場合は、 指示に従って使用してください。

適切な口腔ケアを行うことで、 インプラントの感染リスクを減らし、長持ちさせることができます。

術後の生活で気をつけること

手術後の生活では 日常のちょっとした行動が回復に影響 します。

1. 安静に過ごす

手術直後は、 体が回復に集中できる環境を作ることが大切 です。インプラントは外科手術の一種であり、体は「傷を治そう」とする働きを活発化させます。しかし、 無理に動いたり、激しい活動をすると血流が増えて出血や腫れが悪化 する可能性があります。

ポイント

手術当日はなるべく横になって休む
→ 座って過ごすよりも、横になってリラックスすることで、余計な体の負担を軽減できます。

枕を高めにして眠る
→ 横になる際は、 枕をやや高くして頭を少し持ち上げる ことで、血流をコントロールし腫れを抑える効果が期待できます。

お風呂はシャワーのみにする
→ 湯船に浸かると血行が良くなりすぎて、出血が止まりにくくなる ため、術後1~2日はシャワーで済ませるようにしましょう。

このように、 体を休めることでスムーズな回復を促し、術後のトラブルを防ぐことができます。

2. 患部を触らない

手術後、インプラントを入れた部分が 「ちゃんと固定されているかな?」「違和感があるけど大丈夫?」 と気になり、つい舌や指で触れてしまうことがあります。しかし、これは 細菌感染やインプラントの安定に悪影響を与えるリスクがあるため厳禁 です。

ポイント

舌で触らないよう意識する
→ 舌で患部を探るクセがあると、 傷口が刺激され、炎症や出血の原因になる ことがあります。特に、インプラントのネジ部分がむき出しの状態では細菌が入りやすいため注意が必要です。

指や異物で押さえない
→ 「ちゃんと固定されているか確認したい」と思っても、 手で直接触れるのは感染リスクを高める ため避けましょう。

歯磨きの際も慎重に
→ 術後数日は インプラントの周囲を強く磨かないようにし、他の歯を優しくケアすることが大切 です。

手術後のデリケートな期間に 患部に刺激を与えないことが、早い回復とインプラントの定着につながります。

3. うがいを控える

手術後は、 口の中を清潔に保ちたい気持ちから、強いうがいをしたくなる かもしれません。しかし、 強いうがいは出血を引き起こし、傷口の治癒を妨げる可能性がある ため注意が必要です。

ポイント

手術当日はうがいを極力避ける
→ どうしても口の中が気になる場合は、 水を含んで優しく吐き出す程度にしましょう。強くブクブクとゆすぐと、 血の塊(血餅)が取れてしまい、傷口の治りが遅くなる ことがあります。

翌日以降はぬるま湯や処方された消毒液で優しくすすぐ
→ 刺激の少ない洗口液やぬるま湯 で、そっと口をゆすぐようにしましょう。

口臭や不快感が気になる場合も、歯ブラシを使う前に相談を
→ 手術後すぐに 強く歯磨きをするのも避けた方が良い ため、口の不快感がある場合は 医師に相談し、適切なケア方法を確認するのがベスト です。

うがいは、 適切なタイミングと方法で行うことが、傷口の治癒をスムーズにするポイント です。

4. 血が出ても慌てない

手術後しばらくは、 唾液に少量の血が混じることがよくあります。これは 正常な治癒過程の一部 であり、大抵は自然に止まります。

ポイント

少量の出血は気にしすぎない
→ インプラント手術では、 歯ぐきに切開を加えているため、軽い出血が続くことは珍しくありません。唾液が赤くなる程度なら、通常は問題ありません。

出血が気になる場合はガーゼで圧迫
→ 出血が止まりにくいと感じたら、 清潔なガーゼやティッシュを軽く噛んで圧迫止血 しましょう。強く噛みすぎると、かえって傷口に負担をかけるため 優しく押さえることが大切 です。

枕を高くして寝る
→ 横になった際に頭を少し高くすることで、 血流をコントロールし、出血を抑える効果 が期待できます。

どうしても血が止まらない場合は歯科医院に連絡
→ ほとんどの場合、 時間の経過とともに出血は自然に治まります。しかし、 何時間も出血が止まらない場合や、血がダラダラと流れる場合は、すぐに歯科医院に相談するのが賢明 です。

出血は 術後の回復に伴って落ち着くもの なので、焦らず適切な対処を心がけましょう。

手術直後の過ごし方が インプラントの成功率に大きく影響 します。

安静にして体を休める
患部に触れないよう注意する
うがいは控え、傷口を守る
出血があっても慌てずに適切に対処する

これらのポイントを意識しながら、 焦らず慎重に回復を進めることが大切 です。手術直後は 不安に感じることも多いかもしれませんが、適切なケアを行うことで、インプラントはしっかり定着してくれます。安心して、 回復の過程を見守りましょう!

ポイント

注意すべきこと

激しい運動を避ける → 手術後1週間は、 ランニングや筋トレなどの激しい運動を控えましょう。

十分な睡眠をとる → 体がしっかり回復するために、 質の高い睡眠を確保することが重要*です。

喫煙はNG! → 喫煙は インプラントの成功率を大きく下げる ため、最低でも1ヶ月は控えましょう。

術後の生活で適切なケアを心がけることが、 インプラントの成功につながります。

インプラント手術後の定期健診の重要性

「手術が終わればもう安心」と思われるかもしれませんが、 定期健診がインプラントを長持ちさせる鍵となります。必ず担当医の指示に従って健診を受けるようにしましょう。

定期健診で確認すること

インプラントの状態
歯ぐきの健康状態
噛み合わせのチェック

定期的な健診を受けることで、 トラブルを未然に防ぎ、インプラントを長く快適に使えます。

まとめ

インプラント手術後の過ごし方は 回復や成功率に大きく関わる重要なポイントです。焦らず、適切なケアを心がけ、 長く快適に使えるインプラントを目指しましょう!

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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心斎橋クローバー歯科・矯正歯科

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