入れ歯のお手入れはなぜしっかりと行わないといけないのでしょうか。入れ歯のお手入れを怠ると生じるリスクや、基本的なお手入れ方法なども含めて詳しくご紹介いたします。
入れ歯の必要性
入れ歯は歯を失った際に歯科医院で行う義歯治療です。歯を失うと、食べ物を噛むことが出来なくなるという機能的な問題以外に、発音がしづらくなってしまったり、見た目が悪くなるという問題が生じます。
他に、歯を欠損した部分に隣の歯が倒れてくることや、噛みあわせる歯(対合歯)が伸びて噛み合わせが悪くなることも起きるため、義歯治療をするという目的もあります。
入れ歯のお手入れの重要性
入れ歯のお手入れは大変重要な日常の習慣です。適切なケアを怠ると、口内の健康に悪影響を及ぼし、さらに入れ歯の寿命を縮める原因にもなります。
1. 口腔内の健康維持
入れ歯には食べ物のカスや細菌が付着しやすく、それを放置すると口臭や歯肉炎、口内炎などの原因になります。特に入れ歯を装着している部分には細菌が繁殖しやすいため、入れ歯を清潔に保つことは、口腔内の健康を維持するために欠かせません
2. 感染症の予防
きれいに洗浄されていない入れ歯は、細菌による感染症を引き起こすリスクがあります。カンジダ症は、口腔内の真菌感染症で、入れ歯を長時間着用し続けたり、不十分な洗浄が原因で発症することがあります。また、夜間には外して乾燥させることで、このような感染症の予防が可能です。
3. 入れ歯の寿命の延長
入れ歯の材質は、使用と共に少しずつ劣化しますが、適切なお手入れを行うことで、長く使うことができます。食べ物のカスや歯石が入れ歯に付着すると、材質の劣化を早める原因となるため、専用の洗浄剤を使用して丁寧に洗浄する必要があります。
4. 快適な装着感の維持
清潔な入れ歯は、快適な装着感を保つために必要です。汚れや歯石が付着した入れ歯は、口の中で違和感を感じさせたり、口内を傷つける原因となることがあります。毎日のお手入れで入れ歯を清潔に保つことで、快適に使用し続けることができます。
5. 見た目の美しさの維持
入れ歯を清潔に保つことは、見た目の美しさを維持することにも繋がります。汚れたままで使っていると変色や悪臭の原因となり、見た目の印象を悪くするだけでなく、口臭の原因にもなります。定期的に入れ歯をチェックし、必要に応じて歯科医に相談することで、常にきれいな状態を保つことができます。
入れ歯の基本的な洗浄方法
洗浄の手順をご案内します。
- 入れ歯を取り外す
- 義歯用専用ブラシで全体を洗浄
- ぬるま湯に洗浄剤を入れて細菌の汚れを取り除く
- 全体をゆすいで洗い流します
洗浄のポイント
洗浄において大切なのは、下記の通りです。
- 専用のブラシを使用する
- 歯磨き粉ではなく、入れ歯用洗浄剤を用いて洗浄する
歯磨き粉には研磨剤が含まれており、入れ歯の洗浄に使用すると傷がつき、装着した際にきちんと装着できなくなる可能性があります。専用の洗浄剤を使用すると材質を傷つけず効果的に清掃できます。市販の洗浄剤については使用方法をよく読んで使用しましょう。
就寝時の取り扱い方
就寝時の入れ歯の扱い方にも注意が必要です。入れ歯を外して就寝することで、歯茎を休ませ血行を促進し、歯茎の炎症や口内の不快感を軽減します。保管する際は、専用のケースに入れ、水または洗浄液に浸けておくことをおすすめします。乾燥した場所に放置すると、変形して装着した際に痛みを感じるという可能性もあります。
入れ歯を長持ちさせるコツ
毎日の適切なケアと定期的なプロフェッショナルケアの組み合わせが大切です。入れ歯を扱う際は、落とさないように注意し、専用のケースで保管します。
歯科医院でのプロフェッショナルケアと定期健診
歯科医師による定期的なチェックとクリーニングで入れ歯の状態を最適に保ちます。歯科医院では専門のクリーニング機器を使用し、家庭でのケアでは取り除けない歯石などの汚れを除去します。また、定期的な歯科検診を受診することで、入れ歯のフィット感を確認して必要に応じて調整を行います。歯茎や口腔内の健康状態をチェックし、早期に問題を発見します。
まとめ
入れ歯が合わなくなった場合はすぐに歯科医師に相談し、調整や新しい入れ歯の作製を検討してください。フィット感が悪い入れ歯を使用し続けると、口内にトラブルを引き起こす可能性があります。入れ歯の適切なお手入れは、健康な口腔環境と快適な生活を維持するために不可欠です。毎日のケアと定期的なメンテナンスを怠らず、入れ歯を清潔に保つことが大切です。