歯と口の基礎知識

保険診療と自費診療、どちらを選ぶべき?

保険診療と自費診療、どちらを選ぶべき?

「治療が必要だけど、保険診療と自費診療ってどう違うの?」
「できるだけ安く済ませたいけど、仕上がりが気になる…」

こんなふうに悩んだことはありませんか?

歯科治療は決して安いものではありませんし、せっかく治療を受けるなら 「後悔しない選択をしたい」 と思うのは当然のことですよね。

保険診療なら費用は抑えられるけれど、自由度に制限がある。
自費診療ならより良い治療が受けられるけれど、金額が気になる…。

「結局、どっちを選べばいいの?」
そんな患者さんの疑問にお答えするために、今回は 保険診療と自費診療の違いをわかりやすく整理 し、どんな場合にどちらを選ぶのがベストなのか、詳しく解説していきます!

あなたの大切な歯の治療、 「これを読めば納得!」 と思えるような情報をお届けしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

安いのは保険診療。でも、自費診療の方がいいことも?

「とにかく費用を抑えたいから保険診療がいい」と思っている方も多いかもしれませんね。
しかし、保険診療には適用範囲が決まっているため、自由度が限られます。

一方で、自費診療は費用がかかる分、より精密で審美的な治療が可能です。
例えば、以下のような違いがあります。

被せ物や詰め物

  • 保険診療 → 銀歯やレジン(白い樹脂)など、一定の素材のみ使用可能
  • 自費診療 → セラミックやジルコニアなど、見た目が自然で強度の高い素材を選択可能

矯正治療

  • 保険診療 → 重度の不正咬合など、一部のケースのみ適用
  • 自費診療 → インビザラインや裏側矯正など、多様な選択肢

このように、治療の自由度と仕上がりの美しさを求めるなら、自費診療の方が向いていることもあります。

保険診療と自費診療の基本的な違い

保険診療と自費診療の大きな違いは、「治療費の負担額」「治療の選択肢」「使用できる素材」「見た目の美しさ」「治療期間」 などです。

 保険診療 自費診療
費用 国の保険制度が適用され、3割負担(※条件による) 全額自己負担
治療の選択肢 国の基準に基づいた標準的な治療のみ 患者さんの希望に応じた自由な治療が可能
使用できる素材 銀歯やレジン(プラスチック)など、限られたもの セラミックやジルコニアなど、高品質な素材が選べる
見た目の美しさ 限定的(銀歯やプラスチックの詰め物など) 自然な白さのセラミックや透明な矯正装置など
治療期間 制限があるため、一定の治療方法に限られる 先進的な技術を使い、短期間での治療も可能

このように、保険診療は「最低限の機能を回復するための治療」に適用される一方で、自費診療は 「より質の高い、見た目にも美しい治療」 を受けられるのが特徴です。

具体的な治療ごとの違い

実際に、どんな治療で違いがあるのかを見ていきましょう。

1. 被せ物・詰め物(クラウン・インレー)

歯の治療後に装着する 被せ物(クラウン) や 詰め物(インレー) には、大きな違いがあります。

保険診療の場合

  • 銀歯(メタルクラウン)、レジン(白いプラスチック)などの素材を使用
  • 強度はあるが、銀歯は目立ちやすく、レジンは変色しやすい
  • 噛み合わせや耐久性には制限がある

自費診療の場合

  • セラミック、ジルコニアなどの高品質な素材を使用可能
  • 見た目が自然で、自分の歯と同じ色合いに調整できる
  • 強度が高く、長期間使用しても変色しにくい

選び方のポイント
前歯など目立つ部分 → 審美性を重視するなら自費診療のセラミックが◎
奥歯など噛む力が強い部分 → 銀歯でも問題なし?でも金属アレルギーが気になるなら自費診療でセラミックを選択

2. 矯正治療(歯列矯正)

矯正治療も、保険診療と自費診療で大きな違いがあります。

保険診療の場合(適用されるケースは一部のみ)

  • 口唇裂・口蓋裂など、特定の不正咬合に限り適用
  • ワイヤー矯正が主流で、見た目の選択肢は少ない

自費診療の場合

  • インビザライン(マウスピース矯正)、裏側矯正など、目立ちにくい矯正も可能
  • 症例に合わせた自由な治療ができる
  • 治療期間も調整しやすい

選び方のポイント
できるだけ目立たない矯正がしたい → 自費診療のマウスピース矯正(インビザライン)
費用を抑えつつ歯並びを整えたい → ワイヤー矯正(保険適用外でも比較的安価な方法あり)

3. 虫歯治療

虫歯の治療は基本的に 保険診療 で対応可能ですが、治療方法によっては 自費診療 を選ぶこともあります。

保険診療の場合

  • 銀歯やレジン充填が主流
  • 見た目よりも機能回復を重視

自費診療の場合

  • セラミック治療やダイレクトボンディングなど、審美性の高い治療が可能
  • 最新の技術を取り入れ、より長持ちする治療が受けられる

選び方のポイント
奥歯など目立たない部分の虫歯治療 → 保険診療で十分
前歯など目立つ部分 → セラミック治療(自費診療)がオススメ

あなたに合った治療方法を選びましょう

保険診療と自費診療、どちらにもメリットがありますが、大切なのは 「自分にとって最適な治療を選ぶこと」 です。

とにかく費用を抑えたい → 保険診療を選ぶのが現実的
耐久性や見た目を重視したい → 自費診療の方が満足度が高い

歯科医院では、患者さんの希望やライフスタイルに合わせた治療プランを提案してもらえます。「どちらがいいのかわからない」と思ったら、ぜひ歯科医に相談してみましょう。

どちらを選ぶべき?治療の選び方のポイント

どちらの診療を選ぶべきか迷ったときは、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

費用を抑えたいか?
→ 費用を重視するなら保険診療
治療の質を重視したいか?
→ 長持ちする治療を求めるなら自費診療
見た目を重視したいか?
→ セラミックやジルコニアなど審美性を求めるなら自費診療
時間をかけずに治療を終えたいか?
→ 自費診療なら短期間で終わる治療法が選べることも

例えば、前歯の被せ物を作る場合、銀歯では目立ってしまいますが、セラミックなら自然な白さを実現できます。
見た目を気にする方にとっては、自費診療の方が満足度が高くなるかもしれません。

まとめ

保険診療と自費診療のメリット・デメリットを再確認

最後に、保険診療と自費診療の違いをもう一度整理しましょう。

 保険診療

費用を抑えられる
一定の範囲で決められた治療が受けられる
見た目や素材の選択肢は制限される

  自費診療

治療の自由度が高い
見た目や耐久性に優れた治療が可能
費用が高額になることがある

どちらを選ぶかは、患者さんの希望や状況によります。
「治療費を抑えつつ、必要な治療を受けたい」という場合は保険診療を選び、「より質の高い治療を受けたい」という場合は自費診療を検討するのが良いでしょう。

最終的には、歯科医と相談しながら 自分に合った最適な治療法を選ぶことが大切 です。「どの治療がいいの?」と迷ったら、お気軽に歯科医院で相談してみてくださいね。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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