ブルーラジカルのデメリットは?
ブルーラジカル治療のデメリットもしっかりと知りたいと検討中の方ならば思われるかもしれません。最も大きいデメリットとしては保険適用外の治療で自費診療に該当するということです。ブルーラジカルのデメリットを知ったうえで、メリットと天秤にかけ治療を検討するのが望ましいです。
目次
ブルーラジカルとは何か?
まず、デメリットを語る前提として、ブルーラジカル(Blue Radical)とは何かを知りましょう。ブルーラジカルは、重度歯周病を主な対象に、非外科的に切らずに治療を行いたいニーズに応える手段として注目されている歯科機器です。
- 歯周ポケット内に3%過酸化水素水を入れる
- 405nmの青色光を照射する
- 過酸化水素を分解してヒドロキシラジカル(フリーラジカル)を発生させる
- ラジカルは活性酸素であるため、深部の細菌を破壊し殺菌する
装置には超音波振動機能が備わっているため、物理的に歯石や歯垢(プラーク)を除去する処置を行います。従来の超音波洗浄では届きにくかった部位まで殺菌効果を期待できると言われています。
化学的作用の殺菌と物理的除去の洗浄を組み合わせ、できるだけ侵襲を抑えながら細菌レベルでアプローチすることを目指す方式です。技術のメリットは多く紹介されていますが、全てのケースに万能ではなく、デメリットや注意点も無視できません。
デメリット①:自費診療であること
最も現実的で大きなデメリットは、保険適用ではなく自費診療であることです。多くの歯科医院がこの治療を自由診療として扱っており、保険との併用は不可です。このため、治療を受けたいという患者にとっては、費用負担がネックとなります。
- 処置あたりの費用が高額になる可能性
- 複数の歯を対象とする場合、合計費用が膨らむ
- 長期にわたるメンテナンスや追加処置が必要になると、継続的なコストがかかる
- 保険診療のスケーリング、SRP、外科的フラップ手術と比較するとコスト対効果を慎重に見極める必要がある
導入していない歯科医院も多く、選べる医院が限定されやすいというハードルもあります。
デメリット②:適応、非適応の制約
どんな歯周病にも必ず適用できるわけではない点もデメリットと言えます。
口腔清掃状態が不良な患者
適切なブラッシングやプラークコントロールができていない状態のままでは、殺菌効果が充分に発揮されにくいです。
重度すぎる歯周組織の破壊や骨吸収が進行している歯
歯が支えを失っているようなケースや、既に大規模な骨欠損があるケースでは、ブルーラジカルのみで保存できない可能性もあります。
特定の病状や体の状態
全身疾患があったり、患者さんの体の状態によっては行うことができません。
ペースメーカー使用者:ペースメーカーの誤作動を引き起こす可能性
光線過敏症の患者:かゆみや痛み、発疹などが起きる可能性
無カタラーゼ症の方:先天的に過酸化水素を分解する酵素がなく、過酸化水素により口腔壊疽(えそ)が起きる可能性
妊娠中、または妊娠の可能性がある女性:妊娠中の女性や胎児への影響が不明であり、安全面から治療は不可
通院継続が難しい患者:定期的なメインテナンスが必須であり、通院が難しい環境では効果維持が難しくなる可能性
デメリット③:効果の持続や再発リスク
ブルーラジカルの殺菌力や除菌力は強力ですが、永久的に持続するわけではないという現実があります。
- 殺菌処置後でも口腔内に残る細菌や唾液由来の菌の再侵入、再定着が起こる可能性はゼロではない
- 歯周ポケット内部にはバイオフィルムが再形成されるリスクがある
- 日常の口腔ケアが不十分だと、効果が長く維持されにくい
- 定期メンテナンスを怠ると、炎症や病変再発につながる
複数回の処置が必要になるケースも報告されており初回だけで完全解決とはならない可能性があります。強く殺菌できるから一度で永久に治るではなく、むしろ治療後のケアと継続性が成否を左右すると言えるでしょう。
デメリット④:安全性や副作用の懸念
一般的に、ブルーラジカルは人体への影響は少ないと説明されていますが、全くゼロというわけではありません。
過酸化水素およびラジカルの刺激性
歯肉や軟組織に対して過酸化水素や活性酸素に起因する刺激や炎症反応が起こる可能性があります。
歯質や歯根面への影響
過酸化水素や酸化作用が歯の象牙質やセメント質、露出根面に悪影響を及ぼす可能性がある。特に既にダメージがある部位では慎重にしなければなりません。
知覚過敏や痛み
処置後に一時的な知覚過敏や鈍痛が出るケースが報告されており、歯肉退縮している部位や根面露出している部位では知覚過敏や痛みが起こりやすいです。
光照射による影響
青色光やレーザー照射は、過剰照射や不適切な運用をすると、軟組織や眼への影響リスクも理論的には念頭に置く必要があります。
長期安全性のデータ不足
比較的新しい技術であるため、長期にわたる安全性データが十分に蓄積されているわけではありません。リスクの頻度は高くありませんが、事前説明をきちんと行ってもらうことが重要です。
デメリット⑤:臨床実績の未成熟さ
最新技術であるがゆえの課題として、十分な臨床データや追跡研究がまだ不十分です。
- 5~10年スケールなど長期的な追跡研究が公開されている例がまだ少ない
- 従来法との厳密な対照による大規模臨床試験が十分と言えるかどうか
- 歯周病の進行や患者さんの免疫状態、生活習慣、全身疾患併発などの個別データを十分調整した研究が今後求められる
- 導入医院や研究者が限られているため、実際の臨床適用の蓄積がこれからという段階にある
期待できる技術である反面、未知である点を念頭におく必要があります。
ブルーラジカルのメリットも改めて知る
ブルーラジカルのデメリットについて知れたので、今度はメリットについてご紹介します。
メリット①:非侵襲的治療で体への負担が少ない
ブルーラジカルは、従来の歯周外科手術のように 歯肉を切開して剥離する必要がないため、患者さんにとって体の負担が少ないです。
術中や術後の痛みが最小限で済むため痛みが少ない
処置時の心理的ストレスも小さいため不快感の軽減
切開や縫合が不要で腫れや出血が少なく生活への影響が軽く回復が早い
軽度の痛みが約1割の患者で起こる可能性があるとされますが、それも一過性のケースが多く、鎮痛剤で対応可能といわれています。手術に不安を抱える方や、高齢者、全身疾患を持つ方にも選択肢を広げる治療法になっています。
メリット②:歯周ポケットの深部まで届く殺菌力
ブルーラジカルの核となるのが、ヒドロキシラジカルによる酸化作用です。従来の超音波スケーラーや薬剤では到達しづらかった歯周ポケットの奥深くに作用し、バイオフィルムを強力に破壊します。歯周病原因菌の除去率が非常に高く、臨床データでは 約99.99%の殺菌効果 を示すとの報告もあります。加えて、ラジカル自体は非常に短寿命で、 処置後に体内に残存せず分解されるため安全性が高いとされます。
メリット③:抗生物質使用を抑制できる
通常、歯周病が重度に進行した場合、抗生物質の内服や局所投与が必要になるケースがあります。しかし、ブルーラジカルでは、医療全体の流れとして重要視される抗菌薬の適正使用にも貢献しています。
ラジカル殺菌により細菌を効率的に死滅させる
抗菌薬に依存せず、治療効果を得られる
耐性菌のリスクや副作用を回避できる
メリット④: 歯周組織の保護と治療効果の高さ
ブルーラジカルは、単に殺菌するだけではなく 組織のダメージを最小限に抑えながら治療できるのが特徴です。従来の器具的処置や外科的処置に比べて、歯肉や骨への侵襲が小さいことから、結果として歯周組織が安定しやすく、破壊を防ぎながら改善が期待できます。臨床効果としてはこのような変化が報告されています。見た目やQOLの改善にもつながるのが大きな魅力です。
- 歯周ポケットの深さが浅くなる
- 歯肉の炎症や腫れ、出血が軽減
- 膿の減少または消失
- 口臭の改善
メリット⑤:再発リスクを抑え、長期的な安定に貢献
ブルーラジカルは強力な初期殺菌で細菌の数を大幅に減らせ、バイオフィルムの再形成を遅らせることができますが、定期的なメンテナンスと併用することで、炎症の再発を防ぎ、歯周組織を安定した状態に保ちやすくなります。歯周病は慢性疾患とも呼ばれるため、再発抑制ができることは非常に大きいです。
メリットとデメリットをまとめて
先程ご紹介したように費用、適応制限、データの蓄積段階といったデメリットもあります。ただし、最も大切なのは患者さん自身の口腔内の状態や生活習慣に合うかどうかであり、歯科医師との相談を通じて、自分に最適な治療法かどうかを判断するのが理想です。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 治療方法 | 切開や剥離が不要で痛みや不快感が少なく、回復が早い | 約1割の患者さんに軽度の痛みや知覚過敏が出る可能性 |
| 殺菌効果 | ラジカル技術により歯周ポケット深部まで99.99%レベルの高効率殺菌が期待できる | 効果は永久ではなく、細菌の再定着による再発リスクあり |
| 薬剤使用 | 抗生物質をほとんど使わずに治療でき、副作用や耐性菌のリスクを減らせる | 保険適用外のため、費用が高額になりやすい |
| 歯周組織への影響 | 従来法よりも歯肉や歯槽骨へのダメージが少なく、組織を保護しながら改善できる | 重度骨吸収、全身疾患、妊娠中など適応外の症例は使用できない |
| 治療効果 | 歯周ポケットの浅化、膿や炎症の軽減、口臭改善などQOL向上が期待できる | 複数回処置や継続的メンテナンスが必須 |
| 安全性 | ラジカルは体内に残らず分解されるため、安全性が高いとされる | 長期的な臨床データや大規模研究がまだ十分ではない |
| 再発予防 | 初期殺菌効果と定期メンテナンスにより、再発リスクを抑制できる | メンテナンスを怠ると再発しやすく、効果が持続しない |
まとめ
ブルーラジカルのデメリットやメリットにを知ることは、治療を検討する際にはとても重要です。自費診療のコストを見据え、自分の症例に合うかをしっかり診査してもらいましょう。長期維持のためのセルフケアや通院を継続できるかどうか、担当歯科医院の実績や導入例を確認するのも忘れずに行ってください。スケーリングやSRP、フラップ手術などの従来法との比較、メリットやデメリットを知ったうえで、最終的には信頼できる歯科医師と十分相談し、選択することをおすすめします。




