フロスをすると歯が浮くような感覚を覚えた方はおられませんか。そのような感覚になる原因と対策について詳しく解説します。
フロスの役割と正しい使い方
以前、アメリカの歯周病学会が「Fross or die」というスローガンを使ったことがありました。フロスを使用するか、それとも死ぬかという大仰な言葉ですが、口腔内を清潔に保つために重要な役割があると言えます。フロスの基本情報についてお伝えしましょう。
フロスの役割
歯間の食べ物のカスやプラーク(歯垢)、歯と歯肉の間の汚れは歯ブラシではなかなか取り除けません。フロスは歯間清掃においては欠かせないアイテムで、歯周ポケットに溜まる歯垢や汚れを掻き出します。歯垢や食べかすは虫歯や歯周病の原因となるため、それらを取り除くことができるフロスは毎日行うべき清掃アイテムの一つです。
フロス使用時の正しい方法
フロスの種類や正しい使い方を知っておきましょう。
適切なフロスの選び方
- ワックス付き・ワックスなしという糸の違い
- 持ち手のついたホルダータイプ(FやYの形)・自分でカットして使う卵のような形状の糸巻きタイプ
このように様々な種類があります。歯間が狭い方にはワックス付きが向いていますし、ホルダータイプは高齢者や幼児な度使いやすいです。自分のお口に合ったものを選びましょう。
フロスの正しい使い方
ホルダータイプの場合はホルダーを手に持ち、糸巻きタイプの場合はフロスをカットして両手の指に巻きつけ、いずれの場合も歯間へ糸の部分を優しく挿入して歯の側面に添って上下に動かします。鏡の前で見ながら、力を入れすぎず、ゆっくりと掃除を行いましょう。強く押し込みすぎると歯茎を傷つけてしまうため、注意が必要です。
歯が浮くと感じる際に起きていること
フロスを使った後に歯が浮く感じがする原因についてご説明します。
歯茎の炎症が起こっている
フロスを使うことで歯茎に刺激が加わり、一時的に炎症が起きている可能性があります。特に歯茎が弱っていると、このような症状が現れやすいです。
プラークを除去した
歯間にプラークが多く溜まっている場合、プラークが除去されると隙間が生じます。その結果歯が浮くと感じることがあります。
歯の動揺
長期間プラークが溜まると、歯周病が進行してしまいます。歯肉が腫れて引き締まっていないため、歯がグラグラと動揺しやすくなります。フロスを使用した際に、この動揺が感じられる場合があります。
フロスに違和感があればどうするべき?
フロスを使用して違和感を覚えたら、歯科医師の診察を受け、歯茎の健康状態を確認して対処してもらいましょう。それをしても同様の違和感を感じる方は、デンタルフロスの種類を変えてみるというのも一つの方法です。現在使用しているフロスが合っていない可能性がありますので、歯医者さんで相談してみるのも良いでしょう。
日常生活でも予防しよう
日常生活での予防も大切です。正しい口腔ケアの習慣をつけ、毎日のブラッシングやフロスを欠かさず行いましょう。また、栄養バランスの取れた食事を心がけると、お口の健康を維持できます。定期的に歯科検診を受診し、状態を確認してもらうことも忘れてはいけません。
まとめ
フロスを使った後に歯が浮く感じがする原因は、歯茎の炎症やプラークの除去、歯の動揺などさまざまです。正しいフロスの使い方や適切なケア方法を実践することで、これらの問題を予防・改善することができます。もし症状が長期間続く場合は、必ず歯科医院へ相談し、専門的なアドバイスを受けましょう。健康な口腔内を維持するためには日々のケアを怠らず、定期的な検診を受けることが大切です。