ホワイトニングをしないほうがいいという噂を聞いたことはありますか。歯についた汚れや着色を取り除いて自然な白さにするホワイトニングや、それ以外に歯を綺麗にする方法があるのかなど詳しくご紹介いたします。
ホワイトニングとは
ホワイトニングによって得られる白さは永久ではなく数か月から数年で効果が薄れます。また、すべての人に同じ効果が現れるわけではなく、個々の歯の状態や着色の種類によって結果が異なります。ホワイトニングは下記の種類があります。
- 歯科医院で歯科衛生士が行うオフィスホワイトニング
- 歯科医院で指導を受け処方された薬剤を患者さんが自宅で使用するホームホワイトニング
- 美容院やサロンで市販の製品を使用して患者さん自身で行うセルフホワイトニング
歯科医院で使用及び処方されるホワイトニング剤は、過酸化水素や過酸化尿素などの漂白成分で、歯の表面にある着色を分解し、歯を白く明るく見せることが目的です。ホワイトニングは、健康回復のためではない自由診療であり、クリニック毎に費用が異なる診療科目です。デメリットやリスクがあると理解しておくことが重要です。
ホワイトニングのリスク
歯科医院でホワイトニングを行う場合、歯科医師が患者さんの歯に対して扱い方を間違えなければ、特にひどいリスクが起きる可能性は低いです。
知覚過敏
過酸化物が歯のエナメル質を弱め、一時的に歯が敏感になることがあります。冷たい飲み物や食べ物に対して痛みを感じることが多いですが、おおよそ数時間から数日で治まる場合が多いです。
歯茎の炎症
ホワイトニング剤が歯茎に付着すると、炎症を引き起こすことがあります。特に市販の製品を使い、歯科医院の指導を受けずに行った場合は、薬剤の濃度や使用方法を誤ると、歯茎の炎症がおきるなどの影響を与えることがあります。
エナメル質の損傷
濃度の高い薬剤を使用することで、歯の表面を保護しているエナメル質が薄くなり、歯がもろくなる脱灰がおこることがあります。虫歯のリスクが高まる可能性がありますが、再石灰化は行われますので、数日で歯は元の状態に戻ります。
ホワイトニングをしない方がいいケース
ホワイトニングはすべての人に適しているわけではありません。以下に該当する方は、ホワイトニングを避けたほうが良いとされています。
18歳未満の人
薬剤を使用できるのは、歯が生え変わり成長を終えた18歳以上の方です。お子様にはホワイトニングできません。
妊娠中または授乳中
ホワイトニング剤に含まれる化学物質が胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中や授乳中の方は、避けるように提言されています。
歯や歯茎の状態が悪い場合
虫歯や歯周病があれば、まず口腔組織の健康回復である治療を優先すべきです。ホワイトニング剤は患部をさらに悪化させる可能性があるので、先に患部の対処を行うことです。知覚過敏の自覚症状がある方も同様ですが、ホワイトニング剤の濃度を下げたら行える可能性があります。
人工的な歯の部分がある場合
差し歯やインプラント、詰め物などはホワイトニング剤に反応しないため、天然歯と人工歯で色が不一致になるリスクがあります。
重度の着色の場合
重度の歯の変色は、ホワイトニングで十分な効果を得られないことが多く、別の治療法を検討する必要があります。
ホワイトニングで注意をしたほうがいいケース
ホワイトニングへ注意が必要な方は、嘔吐反射や、呼吸器疾患の方です。気管支喘息の方は、ホワイトニング時に過酸化水素から発生する微量のガスにより、喘息を誘発する可能性があります。嘔吐反射の方は、トレーと呼ばれるマウスピースを使用するホームホワイトニングはえづいてしまうため不向きです。これらの症状をお持ちの方は、事前に歯科医師へ相談しましょう。
ホワイトニング以外に歯を綺麗にする方法
ホワイトニングを避けたい、またはリスクを最小限に抑えた別の方法を模索する場合、選択肢があります。
定期的なクリーニング
歯科医院で行う定期的な歯のクリーニングは、歯石や着色汚れを綺麗に取り除きます。ホワイトニングほど劇的な効果はありませんが、歯の健康を維持しながら自然な白さを保つことができます。
ホワイトニング歯磨き粉の使用
市販のホワイトニング歯磨き粉は、過酸化物ではなく研磨剤を使って歯の表面をきれいにします。ただし、これも頻繁に使用すると歯のエナメル質を削るリスクがあるため、過度に行うのは避けましょう。
食事の見直し
コーヒー、紅茶、ワイン、タバコなどの着色しやすい食品や飲料を控えることで、歯の変色を防ぐことができます。
まとめ
ホワイトニングは効果的な歯の美白方法ですが、そのリスクや副作用も理解しておくことが重要です。特に、敏感な歯や歯茎のトラブルを抱える人、妊娠中や授乳中の方は、慎重に判断する必要があります。また、ホワイトニングを避けたい場合でも、他の方法で歯を白く保つことは可能です。日々のケアや食生活を見直し、無理のない範囲で美しい歯を維持していきましょう。