審美歯科

セラミックを破損させないために大切なこととは?長持ちさせるための注意点

セラミックを破損させないために大切なこととは?

「せっかく高いお金を出してセラミックにしたのに、もし割れたらどうしよう…」
そんなふうに感じたことはありませんか?

美しくて自然な見た目。金属アレルギーの心配も少なくて、清潔感もある。
セラミック治療には、たくさんのメリットがあります。
でも実は、“絶対に壊れない素材”ではないということ、意外と知られていないんです。

「自分は大丈夫」と思っていても、
いつの間にか日常のクセや行動がセラミックに負担をかけていることも…。
そして、ある日ポロッと欠けたり、ヒビが入ったり――
そんな事態になってから「もっと気をつけておけばよかった…」と後悔する方も少なくありません。

このコラムでは、セラミックが破損する原因や注意点をわかりやすく解説しながら、
どうすればキレイな状態で長く使えるのかをお伝えしていきます。

あなたの大切なセラミックを守るために、
今できることを一緒に見直してみませんか?

破損すると起こるトラブルとは?見た目だけじゃないリスクも

セラミックが欠けたり割れたりすると、見た目の問題だけでなく、次のようなリスクも出てきます。

虫歯の再発:破損した隙間から細菌が入り込み、再び虫歯に。

噛み合わせのズレ:割れた部分が原因で不正咬合になることも。

神経への刺激:セラミックの下の歯が露出すると、しみたり痛みが出る可能性も。

その結果、再治療が必要になったり、費用が余計にかかったりと、ダブルでショックを受けることも…。

セラミックが破損しやすいのはどんな時?

セラミックは金属よりも見た目が自然で、強度も高い素材ですが、“割れるリスクがゼロ”というわけではありません。実は、ちょっとした行動やクセが、セラミックに大きな負担をかけてしまうこともあるんです。

以下のようなケースでは、特に破損しやすくなるため注意が必要です。

1. 硬い食べ物を噛んだとき

氷、アメ、骨付き肉、スルメ、ナッツ類などは、セラミックを欠けさせる大きな原因になります。特に、無意識で「ガリッ」と噛んでしまうクセがある方は要注意。

2. 歯ぎしりや食いしばりの癖があるとき

睡眠中の歯ぎしりや、日中の無意識の食いしばりも、セラミックに強い力をかけてしまいます。これが毎日のように繰り返されると、やがてヒビが入ったり、欠けたりすることも。

3. 噛み合わせがズレているとき

不正咬合や、被せ物の高さが合っていない状態のままだと、一部の歯にだけ負担が集中してしまいます。特にセラミックがある歯に過剰な力がかかると、破損リスクが高まります。

4. スポーツ中に強い衝撃が加わったとき

ボールが顔に当たったり、転倒したりすることで、口元に直接衝撃がかかり、セラミックが欠けてしまうことも。激しいスポーツをされる方はマウスガードの着用がおすすめです。

5. 長年使用して、劣化が始まっているとき

セラミックは経年劣化が少ない素材ですが、使い方やケアの仕方によっては細かい傷が蓄積していき、ある日突然割れることもあります。

これらの場面では、セラミックが強い力や急な衝撃にさらされることで破損しやすくなります。特に複数の条件が重なると、リスクはさらにアップ。自分の生活スタイルに当てはまる項目があれば、早めの対策がオススメです!

意外と多いセラミック破損の「あるある」な原因とは

実は、「まさかこんなことで?」と思うような習慣が、セラミック破損の原因になっているケースが多いです。

固いものを無意識に噛む(氷、ナッツ、梅干しの種など)

寝ている間の歯ぎしりや食いしばり

噛み合わせの調整が不十分なまま使用

歯磨き時に強くゴシゴシしすぎる

セラミックの素材に合っていない使い方をしている

日常のちょっとした行動が、セラミックにストレスをかけ続けているかもしれません。

セラミックを長持ちさせるための5つの注意点

セラミックは丁寧に扱えば何年も使える優れた素材。でも、扱い方を間違えるとあっさり欠けたりヒビが入ることも…。

そこでここでは、日常で気をつけたい5つのポイントを、さらにわかりやすく解説していきます。

1. 硬い食べ物は慎重に食べましょう

硬い食べ物

氷、アメ、ナッツ類、骨付き肉など、“歯ごたえ強め系”の食べ物は要注意。

特に「セラミックが入っている歯で無意識に噛んでしまう」クセがある方は気をつけましょう。

「これはヤバいかも?」と思ったら、反対側の歯で噛んだり、小さく割ってから食べたりするなどの工夫を。

NG例:

氷をガリっと噛む
アメ玉をかじる
ナッツや骨つき肉を奥歯でグッと噛みしめる

ポイント:
「前歯で割らない」「ゆっくり噛む」「小さく割ってから口に入れる」など、噛む力をコントロールするだけで、破損のリスクはかなり減ります。

2. 歯ぎしり・食いしばりにはナイトガード

ナイトガード

寝ている間の歯ぎしりや、無意識の食いしばりは、セラミックに大きな負担をかけます。自覚がなくても、「朝起きたときに顎が疲れている」「被せ物がよく取れる」人は要注意。

おすすめ対策:

就寝時にナイトガード(マウスピース)を使う

日中は上下の歯が当たらない状態を意識する

ストレスを感じたときは深呼吸やリラックスを心がける

歯ぎしりのクセは脳がストレスを処理するための無意識行動ともいわれているので、心のケアも大切かもしれません。

3. 歯磨きは優しく丁寧に

歯磨き

「強くこすれば汚れが落ちる」と思いがちですが、それは逆効果。
セラミックの表面が微細に傷つくと、そこに歯垢がたまりやすくなり、周囲の歯ぐきの炎症や再治療の原因にもなります。

歯磨きのコツ:

やわらかめの歯ブラシを使う

力は入れずに「なでるように」

フロスや歯間ブラシで補助的にケア

着色が気になる場合は研磨剤の少ない歯みがき粉を選ぶ

[jin_icon_carendar color=”#e9546b” size=”24px”] 定期的にプロによるクリーニングを受けるのも効果的です!

4. 定期的に健診を受ける

定期健診

最初はピッタリだった噛み合わせも、年齢や歯並びの変化、生活習慣でズレてくることがあります。
噛み合わせがズレると、セラミックの一部に強い力がかかりやすくなり、割れやすくなる原因に。

チェックポイント:

「物を噛むときに違和感がある」

「上下の歯の接触が左右で違う気がする」

「被せ物が浮いた感じがする」

こういった感覚があるときは、早めに歯科医院で噛み合わせを確認してもらいましょう。
健診時に調整してもらうことで、破損リスクは大きく軽減されます。

5. スポーツをする人はマウスガードを

スポーツ用マウスガード

特に接触の多い競技では、マウスガードの使用が大切です。

特にラグビー、サッカー、バスケット、ボクシングなど、接触や転倒の多いスポーツをしている方は要注意。
「まさか自分がぶつけるなんて…」というタイミングで、セラミックが一瞬で欠けることもあります。

対策:

競技用の専用マウスガードを装着する

市販品よりも歯科医院で作るカスタムタイプがおすすめ(フィット感・安全性が高い)

競技レベルに関わらず、マウスガードは“保険”のようなもの。
何もなければ安心、万が一の時には大きな助けになります!

これらの注意点は、一つひとつは小さなことかもしれませんが、続けることで大きな破損予防につながります。セラミックをずっと美しく保ちたい方にとって、まさに必須の習慣です!

これらの注意点は、どれも特別なテクニックが必要なわけではありません。少しの意識と習慣の見直しだけで、セラミックの寿命は大きく変わります!

大切なのは、日々のケアと定期的なチェック!

セラミックは天然歯に近い美しさを持ち、非常に耐久性も高い素材ですが、「絶対に割れない」というわけではありません。
だからこそ、日常の使い方と定期的なチェックがセラミックを守るカギになります。

特に以下のような方は要注意!

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方

スポーツや楽器演奏など、歯に力がかかる生活をしている方

以前に被せ物を何度もやり直した経験がある方

こうした生活背景も踏まえて、セラミックの破損リスクを予防していきましょう。

まずは小さな心がけから、今日からスタート!

「気をつけないとダメ!」と意気込むより、まずは自分の癖や生活をちょっと見直してみることが大事です。

毎日のケアに少し気を配るだけで、セラミックはずっと美しく保てます。
わからないことがあれば、歯科医院で気軽に相談してみてくださいね🦷

まとめ

セラミックの被せ物や詰め物は、美しさと機能性を両立できる優れた治療法ですが、それを長持ちさせられるかどうかは、患者さん自身の毎日の使い方にかかっています。

どんなに丁寧に作られたセラミックでも、「硬いものをかじる」「歯ぎしりを放置する」「健診に行かない」などの習慣が積み重なると、思わぬ破損につながることも…。

でも逆にいえば、

少しだけ食べ方に気をつける

ナイトガードを使う

歯科で定期的にチェックしてもらう

こういったちょっとした意識の変化が、セラミックを何年も美しく保つ力になります。

「大切な歯を守るのは、プロだけじゃなく自分自身」
そんな気持ちで、今日からできるケアを始めてみてはいかがでしょうか?

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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