
虫歯や歯周病の予防的な治療には保険が適用されませんでしたが、2020年の診療報酬改定により、予防的な治療に保険が適用されるようになりました。それ以来、お口の健康の為に予防歯科を受診し、虫歯や歯周病を早期発見・早期治療することが可能になりました。予防歯科の受診頻度などに付いてご説明します。
目次
予防歯科の通院頻度は?
多くの方は、虫歯や歯周病の症状がないのに歯医者通いをする習慣はないかもしれません。予防歯科への通院頻度は、患者さんのお口の状態によって違います。
虫歯や歯周病が見られない健康なお口の方の場合と、虫歯になりやすい方や軽い歯肉炎が見られる方の場合は、通院頻度に差が出来ます。
一般的には予防歯科の通院は3ヶ月~6ヶ月に1回程度の頻度となります。どのくらいの間隔をあけて次回の定期健診を受けるかは、担当の歯科医師や歯科衛生士からご案内します。
予防歯科とは?
虫歯や歯周病になる前に予防的処置を行うことを予防歯科といいます。虫歯や歯周病にかかりにくくなるような処置を行い、痛みや歯茎の腫れなどの症状が出ている場合は、速やかに治療に移ります。
以前は予防的な処置は保険の対象外でしたが、2020年4月の診療報酬改定で、歯周ポケットが浅い人に対するメンテナンスや初期のむし歯に対するお薬の塗布などの予防的な治療が、保険適用の対象になりました。
つまり、口内の健康の維持や改善は全身の健康にも関わることなので、予防歯科は国民の健康維持に必要不可欠である、ということです。
予防歯科では何をするの?
予防歯科で目標とするポイントは3つあります。
- クリーニングで歯垢を落とす
- 口内の細菌を減らす
- フッ素塗布で虫歯予防
1.クリーニングで歯垢を落とす
歯垢は歯の表面や歯と歯茎の間に付着して、その中には細菌がたくさん棲んでいます。歯垢を歯に付いたままにしておくと、どんどん細菌が繁殖して、虫歯や歯周病を起こします。

そのため、まず専用の器械を使ったクリーニングで歯垢を徹底的に除去することが大切です。当院ではエアフローという器械で、微細なパウダーを歯に吹き付けながら水流で洗い流し、クリーニングを行います。
2.口内の細菌を減らす
歯垢や歯石を除去することでお口の中の細菌を減らします。寝ている間は唾液の分泌が減るため、お口の中に細菌が増殖しやすい時間帯です。
そのため、寝る前に歯磨きをした後、殺菌剤配合のデンタルリンスをお口のすみずみまで行き渡らせることで、細菌の増殖を抑えます。
3.フッ素塗布で虫歯予防
フッ素には虫歯を防ぐ3つの働きがあります。
- エナメル質の修復を促進・・歯の再石灰化を促進します。
- 歯の質を強化・・エナメル質を酸に溶けにくい性質に変えます。
- 菌の働きを弱める・・虫歯菌の働きを弱めて酸を作らせないようにします
予防歯科で歯医者に通う頻度に関するQ&A
2020年の診療報酬改定により、予防的な治療に保険が適用されるようになりました。具体的には、歯周ポケットが浅い人へのメンテナンスや初期のむし歯に対するお薬の塗布などが保険の適用対象となりました。
予防歯科の目標は、以下の3つです。
1. クリーニングで歯垢を落とす。
2. 口内の細菌を減らす。
3. フッ素塗布で虫歯予防。
予防歯科の受診には以下のようなメリットがあります。
1. 虫歯や歯周病を早期発見・早期治療できる。
2. 歯のクリーニングや細菌の除去により口内環境を改善できる。
3. フッ素塗布により虫歯予防効果が期待できる。
4. 歯の健康を維持し、全身の健康にもつながる。
まとめ

自分自身の歯を長持ちさせるためには、毎日の丁寧な歯みがきと数ヶ月毎の定期健診で、歯垢を歯に残さず、虫歯や歯周病になりにくくすることが大切です。定期健診によって虫歯や歯周病の早期発見が可能になると、出来るだけ虫歯で歯を削らずに済みますし、歯周病の軽い歯肉炎の状態で治療を開始すればほぼ治ります。
予防歯科は虫歯や歯周病が進行する前に見つけて治療する、大切な診療ですので、出来る限り定期健診を受診するようにしましょう。