予防歯科

歯石取りが痛い 血が出る理由とは?

 

歯石取りが痛い、血が出る理由とは?歯石取りは、虫歯や歯周病を予防し、口内環境を健康に保つために欠かせない処置です。しかし、多くの人が歯石取りの際の痛みや出血を感じており、歯石取りに対して消極的な印象をもっています。歯石取りはなぜ痛いのか、また血が出る理由についてご説明します。

歯石取りはどうして必要なの?

歯石は、歯垢が硬化したもので、歯についたまま放置すると歯肉炎や歯周病の原因となります。歯垢は毎日の食べ物のカスなどから生じる細菌の塊で、これが石灰化して歯石に変わります。

歯石は一旦形成されてしまうと、歯磨きでは除去することが出来ないため、歯科医院で専門的な器具を使った処置が必要です。

歯石取りの際に痛みを感じる主な理由

歯石取りの際に痛みを感じる主な原因は、歯茎の炎症によるものです。歯茎が炎症を起こしていると敏感になり、少しの刺激にも強く反応してしまいます。また、歯石が歯茎の近くや歯の根元についている場合、歯石を除去する時には特に痛みを伴うことがあります。

1. 歯茎の炎症による

歯石は歯垢が硬化してできるもので、歯垢と同じく細菌の塊です。細菌の出す毒素が歯茎を刺激し、炎症を引き起こして歯周病の原因となります。歯石が歯についていると細菌は増殖を続けますので、歯石を削り取ってしまうまで歯茎の炎症は続きます。

歯石を取り除いた後も、歯茎の炎症が治りきるまでの間は歯茎が敏感な状態が続くため、痛みを感じることがあります。

2. 歯石除去時の刺激による

歯石の除去は当院では歯科衛生士が行います。歯石を削り取る際には専用の器具を使用して削り取るため、必然的に歯茎や歯根に物理的な刺激が加わります。特に歯石が多かったり、歯周ポケット中に歯石がある場合に、歯茎が感じる刺激は強くなりがちです。そのため、処置後には歯茎が敏感になり、痛みを感じることがあります。

3. 歯の露出部分の変化による

歯石が取り除かれることで、それまで歯石に覆われていた部分の歯が歯茎の上に露出します。この露出した部分は、外部の刺激に対して非常に敏感です。温度差や食べ物の硬さなどが直接刺激となるため、冷たい水を飲んだり、硬いものを噛んだりした際に痛みを感じることがあります。

4. 歯茎の回復過程中

歯石取りの処置で歯茎が一時的に傷つくこともあります。歯茎は傷ついた後、自然に回復しますが、回復するまでの間は痛みとして感じられることがあります。

また、歯茎が健康な状態へ回復する過程で、軽い腫れが起こったり一時的に歯茎が敏感になることもあります。

5. 器具による微細な損傷

歯石取りに使用される器具は効果的に歯石を除去しますが、時に歯や歯茎に微細な損傷を与える可能性があります。これが原因で、処置後に痛みが発生する場合があります。

歯石除去後の痛みを軽減するための対策

歯石取り後の痛みを軽減するためには、以下のような対策が効果的です。

丁寧に処置を行う

歯科衛生士が慎重に歯石を除去することで、歯茎への刺激を最小限に抑えることができます。

適切なアフターケア

処置後は歯科衛生士の指示に従って適切な口内ケアを行うことが重要です。正しい方法で歯磨きを行い、必要に応じてデンタルフロスや歯間ブラシを使用することで歯茎の健康を維持できます。

痛み止めの使用

患者さんが痛みに大変弱い場合は、歯石取りの前に表面麻酔などの適切な痛み止めを使用することが考えられます。歯石取りの処置後に痛み止めのお薬が必要なケースは殆どありません。

これらの情報を理解し、適切な処置とケアを心がけることで、歯石取り後の不快な痛みを最小限に抑えることができます。

歯石取り中に出血が起こる原因

健康な歯茎は強く、出血しにくいのですが、歯垢や歯石の中にいる細菌の毒素が歯茎の炎症を引き起こしていると、歯茎が腫れたり脆くなっている場合が多く、少しの刺激で出血を起こしやすくなります

また、歯石を取り除く際の器具が少しでも触れると、敏感な歯茎に影響を与えるため、出血することがあります。

歯石取りの痛みと出血を最小限に抑える方法

痛みと出血を最小限に抑えるためには、毎日の歯磨きが重要です。正しい歯磨きの技術を身につけ、フロスや歯間ブラシを使用することが効果的です。

歯茎の炎症が減り、歯石があまりつかなくなることで、歯石取りの痛みや出血は減っていきます。

1年に2~4回程度の定期健診でプロのクリーニングや歯石取りを受けると、歯茎の状態は少しずつ改善していきます。定期健診の頻度は担当歯科衛生士の指示に従いましょう。

まとめ

歯石取りは、痛みや出血を伴うことがありますが、これらは主に歯茎の炎症によるもので、治療によって歯茎の状態が改善するにつれて痛みや出血も減っていきます。定期的な歯科健診を受け、毎日の歯磨きを怠らないことが、健康な歯茎の維持に繋がります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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