矯正歯科

矯正を始める年齢でベストなのは?

矯正を始める年齢でベストなのは?

矯正を始める年齢でベストと言われると、子供と大人によって異なります。矯正を行う為のベストな年齢や状態についてそれぞれ詳しくご紹介いたします。

子供の矯正でベストな年齢は?

子供が矯正を開始する年齢としてベストなタイミングがあります。

  • 永久歯が揃う前に行う1期治療
  • 永久歯が生え揃った後に行う2期治療

永久歯が揃う前に行う1期治療

1期治療とは骨の成長に合わせて顎のバランスや広さを整える治療で、6歳臼歯が生える5、6歳位から開始して11歳位まで行う治療を指します。特に子供の矯正治療は成長期の特性を活かせるため、新陳代謝が活発で顎の骨が柔らかく歯が動き、比較的治療期間が短くなります。7歳から9歳までには1期治療を開始するのがベストです。顎のスペースがきちんと確保できれば、大人と異なり抜歯などの処置が必要ありません。

指しゃぶりや、口呼吸、頬杖など日常生活における態癖(たいへき)がある子供は、それも併せて矯正していきます。子供の矯正治療の場合、親が矯正歯科へ一緒に連れて行くことや、矯正治療後も定期的な検診を受診する必要があります。

永久歯が生え揃った後に行う2期治療

上顎の顎骨(がっこつ)の発育については大体11~12歳位で終わる人が多いと言われています。12歳の年齢になれば永久歯が生え揃う子供が大きくなり、2期治療を開始するタイミングです。2期治療は、歯並びを綺麗に整えて噛み合わせを改善するための矯正治療で成人矯正とあまり変わりません。ワイヤー矯正やインビザライン矯正など、成人と同じような矯正装置を使用し、矯正治療を行っていきます。

この年齢の子供は、歯並びや噛み合わせが悪い状態のままでいると、見た目を気にするため、心理的なコンプレックスを抱えてしまうケースも少なくありません。矯正治療で心身ともに健康な状態へ改善するというのはとても大切です。

大人の矯正でベストな年齢は?

大人は何歳まで矯正治療が可能かということはなく、健康な歯や歯肉、顎の骨であれば、特に何歳までの年齢でとはなりません。ただし、40~50歳頃から徐々に歯周組織が弱ってしまったり、新陳代謝が悪くなり歯の動きが活発化しないということがあるため、なるべく若い年齢からの矯正治療がベストと考えます。

子供と大きく異なる点として、大人の年齢になってからの矯正治療は程度により抜歯の処置が必要となるケースが多いです。但し、患者さん自身が歯並びを綺麗にしたいという目的であるため、治療を受けたくないという感覚よりも治療期間中きちんと通院する方が多いです。職業や生活スタイルによっては矯正装置で治療中ということを周囲に見られたくない方は、過蓋咬合(噛み合わせが深い)でなければ裏側矯正で表側から全く見えないようにすることは可能です。

参照先:厚生労働省

健康な歯周組織とは?

健康な歯周組織であればどのような年齢でも可能ということですが、具体的にはどのような状態でしょうか。

  • 歯を1本も抜いていないこと
  • 虫歯や歯周病にかかっていないこと
  • 顎の骨が減少していないこと

虫歯で奥歯を欠損している方がワイヤー矯正で治療を目指す場合を例に挙げます。どんな歯並びの問題(不正咬合)を抱えているかにもよりますが、奥歯は矯正力の固定源として使用されるため、奥歯がないと矯正力がうまく歯にかかりません。ワイヤー矯正やインビザライン矯正にはそれぞれ得手不得手があるため、ワイヤー矯正で治療を行わなければならない患者さんがインビザラインで矯正を行えるわけではないのです。

欠損歯がなくても虫歯治療で神経(歯髄)を抜いた歯がある方は注意が必要です。神経を抜いた歯は脆く、矯正力がかかりすぎると歯根破折という歯の根が折れてしまうリスクが高まります。

矯正が心身に与える影響

  • 歯の位置を整えて見た目の改善
  • 噛み合わせが良くなることで歯の機能が改善
  • 歯並びが綺麗になったことで清掃がしやすく口腔内の健康をサポート

口腔内のお悩みを矯正治療で改善することが出来ます。矯正治療は特定の疾患でない限り保険適用されない自費治療です。そのため、費用が高いというデメリットはありますが、お口の見た目や笑顔の印象が改善したことで、自信が生まれたり、精神的に安定することがあります。

まとめ


矯正治療は、年齢に関係なくその人の生活の質を向上させる可能性を持っています。最適なタイミングで治療を開始することにより、より効果的な結果を得ることができます。美しい笑顔と健康的な口腔環境を目指して、適切な矯正治療を選び、計画的に治療を進めましょう。

矯正治療の開始に最適な年齢については、次のように示されています。

1. [Dugoni et al., 2006]によると、治療開始の時期については議論が続いていますが、治療効果を最大化するために永久歯の完全な萌出後、すなわち12歳ごろから始めるのが効果的という見解が示されています。

2. [Page, 2003]では、早期治療が必要な場合は8歳より前、さらには生後間もなくからの治療が考慮されるべきとされています。特に顎の成長や気道の発達を適切に誘導するために、早期治療が有効なケースがあるとされています。

結論として、矯正治療の最適な開始年齢はケースバイケースで異なり、12歳ごろから始めるのが一般的ですが、特定の症状や成長の問題を抱える子供には、早期治療が必要な場合もあります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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