矯正歯科

すきっ歯になる理由は何ですか?

すきっ歯になる理由は何ですか?

心斎橋クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 山田 秀史

すきっ歯で悩んでいる方は多くおられますが、すきっ歯になる原因は遺伝的な要因や乳歯期からの習慣、生活環境など幾つもあり、様々な要素が関係しています。すきっ歯になる理由についてご説明します。

すきっ歯になるのは遺伝のせい?

歯並びは親から子へと遺伝することがあります。歯の大きさや形、顎の骨の形等が遺伝の影響を受け、その結果すきっ歯になる可能性があります。

しかし遺伝的な原因以外に、生活習慣も歯並びが悪くなる原因としてあげられます。歯並びに影響のある良くある癖としては、指しゃぶりや舌の位置の問題があり、食生活や口呼吸なども歯並びに影響を与えます。

乳歯期のすきっ歯の予防方法

子供の歯科健診

すきっ歯にならないような乳歯期からの予防方法としては、正しいやり方で口腔ケアを行い、悪い習慣を身につけないように気をつけることがあげられます。乳歯の健康は永久歯にも影響を与えますので、子供の虫歯の有無や歯並びには気を配る必要があります。
予防方法としては以下のような方法が効果的です。

1. 定期的な歯科健診

定期的に歯科健診を受けることは、子供の歯の発育や歯並びの健康状態を親が把握するために大変重要です。子供の歯並びの異常を早期発見することで、必要なケアや治療を受けることができます。

2. 正しい歯磨きの習慣

子供の時期から正しい歯磨きの習慣を身につけると、大人になってからの虫歯や歯周病のリスクを低下させ、すきっ歯の予防にも役立ちます。歯ブラシを細かく動かしてやさしく歯を磨く方法を、小さいうちから身につけましょう。

3. 食生活の改善

食生活は子供の歯の発育にも大きな影響を与えます。カルシウムやビタミン等を含むバランスの取れた食物を摂ることで、歯や顎の骨が正しく成長し、すきっ歯の予防につながります。

4. 悪い習慣の改善

子供が指しゃぶりや唇噛みを続けていると、歯並びに影響を与えます。3歳くらいまでにこれらの習慣を改善するようにしましょう。

5. 早期の矯正治療

乳歯期からすきっ歯がみられる場合は、歯科医師と相談して、必要に応じて矯正治療を検討しましょう。早い段階で治療を受けることで、将来的に起こるであろう歯並びの問題を回避することが出来ます。

すきっ歯をそのままにするとどんな影響があるの?

すきっ歯を治療せずにそのままにすると、以下のような影響が生じる可能性があります。

1.咬合が不安定になる

すきっぱ歯があると噛み合わせが不安定になるため、咬む力が均等に分散されずに一部の歯にだけ強い負荷がかかる場合があります。その結果、歯の一部が擦り減ったり、顎関節に問題が起こる可能性があります。

2. 歯周病のリスクが高くなる

すきっ歯があると、歯と歯の間に食べ物のカスやや歯垢がたまりやすくなります。歯垢は細菌の塊ですので、細菌の増殖や炎症が起こりやすくなります。

3. 虫歯のリスクが高くなる

すきっ歯は歯の間に歯ブラシやフロスが届きにくいため、食べ物がたまったり食べかすが詰まったりしやすく、虫歯が出来やすくなることがあります。

4. 外見によるコンプレックス

すきっ歯は前歯に起こると他人から見えやすいため、歯が見えないように手で隠したり、なるべく口を開けて笑わないようにするなどのコンプレックスになることがあります。

すきっ歯になる理由に関するQ&A

すきっ歯になる主な原因は何ですか?

すきっ歯の原因は多岐にわたります。遺伝的な要因が大きく関係しており、歯や顎の形状が親から子に受け継がれることがあります。加えて、乳歯期の習慣や生活環境も影響を与えます。指しゃぶりや舌の位置の問題、食生活、口呼吸などが歯並びを悪化させる可能性があります。

遺伝によってすきっ歯が発生する可能性はどの程度ですか?

遺伝はすきっ歯の一因となり得ます。歯の大きさや形、顎の骨格などは遺伝的要素によって決まることが多く、これらが歯並びに影響を及ぼします。しかし、すきっ歯が遺伝すると断言することはできず、遺伝以外の要因も大きく作用します。

すきっ歯を放置するとどのような影響がありますか?

すきっ歯を放置すると、咬合不安定、歯周病リスクの増加、虫歯の発生しやすさ、外見に対するコンプレックスなどの問題が生じる可能性があります。これらの問題は口腔健康だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。

まとめ

歯のキャラクター

すきっ歯になる理由は様々です。遺伝による場合もありますが、環境や生活習慣も歯並びに大きな影響があります。特に指しゃぶりや唇噛みや舌の位置、舌で歯を押す癖などの口腔習慣、咬合の不安定、食生活の偏りなどがすきっ歯を引き起こす原因となります。

乳歯のすきっ歯に気づいた場合は、早めに歯科医院に相談し、適切な治療方法やケアを行いましょう。

すきっ歯になる理由は、複数の要因が関与しています。主な原因としては、顎と歯の大きさの不均衡や歯の欠如、遺伝的要因、習慣(指しゃぶりなど)による歯の移動が挙げられます。特に、上顎の中央に位置するすきっ歯は、発育上の正常な過程の一部であることもありますが、成長とともに閉じない場合、審美的、心理的な理由から治療が求められることがあります。治療方法は、矯正治療、直接的な修復治療、外科的な処置など、さまざまですが、患者の年齢、ディアステマの原因、その他の影響要因を考慮して適切な治療法を選択することが重要です。
Iana Inhamuns Lopes et al., 2020
Agnieszka Osmólska-Bogucka & B. Siemińska-Piekarczyk, 2015

これらの研究結果から、すきっ歯の発生原因を正確に理解し、患者ごとの具体的な状況に応じた適切な治療計画を立てることが、患者の満足度を高め、良好な治療結果を得るために重要であることがわかります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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心斎橋クローバー歯科・矯正歯科

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