
歯の黄ばみのレベルがどれくらいか、周囲の人の歯の白さや笑顔を見た時、ふと気になることがあります。原因やレベル、それに応じたホワイトニングなど詳しくご紹介いたします。
歯の黄ばみの原因とメカニズム
歯の黄ばみは表面や内部に色素が沈着し、白くあるべき歯が変色してしまう状態を指します。アジア系の日本人は欧米人に比べてエナメル質が薄いため、内側にある象牙質が透けて黄色く見えやすいという特徴があります。それ以外では食品や飲料に含まれる色素の付着、加齢、喫煙習慣も歯の黄ばみを引き起こす要因です。審美的な観点から歯を白くしたいと医院へ来られる方は一定数おられます。
レベルをチェック
まず、自分の歯の黄ばみレベルを知りましょう。
自宅で確認
明るい自然光の下、鏡で自分の歯の色をチェックして、周囲の歯と比べて特定の歯がより黄ばんでいるかどうかを確認しましょう。ティッシュペーパーを歯の近くに持っていくと比較しやすく、明らかに色が違うように見える場合は、進行している可能性があります。
歯科医院で確認
歯科医院などで使用されるシェードガイドを利用して、現在の歯の色がどのレベルにあるかを把握できます。シェードガイドとは歯の色の見本で、最も白い色から最も暗い色までレベルと数字の組み合わせで色の濃さを表現しています。白さの種類に段階をつけていて16種類の歯の色があり、理想的な歯の色はA1とされます。
- Aは赤茶系
- Bは赤黄系
- Cは灰色系
- Dは赤灰色系
日本人の歯の白さはAの3.5位が標準です。健康的な色ですが、どのような白さを希望するのか歯科医師と相談しましょう。
歯の黄ばみを引き起こす生活習慣
歯の黄ばみには日常の生活習慣が大きく影響しています。促進する原因は下記の通りです。
喫煙
紙タバコに含まれるタールは歯に強い着色をもたらし、黄ばみの原因となります。電子タバコや加熱式タバコにタールは含有されていませんが、ニコチンは成分内にあり、ステインとして歯の表面に付着します。
飲食物の影響
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなど、色素の強い飲食物は歯の黄ばみを引き起こしやすいです。これらの食品は、歯の表面に色素を沈着させ、毎日の摂取で徐々に進行します。
不十分な口腔ケア
正しいブラッシングや定期的な歯科クリーニングを怠ると、プラークや歯石が蓄積し、歯の黄ばみが悪化します。
加齢
年齢を重ねるとエナメル質が薄くなり、象牙質の色が透けて見えやすくなります。これにより、歯全体が黄ばんで見えることがあります。
歯の黄ばみレベルに応じたホワイトニングとは
歯の黄ばみは、レベルに応じて適切なホワイトニング方法を選ぶことが重要です。
軽度の黄ばみ
市販のホワイトニング歯磨き剤などを使用することで改善が期待できます。
中程度の黄ばみ
歯科衛生士が行うプロフェッショナルなクリーニングがおすすめです。歯の表面、歯と歯の間、歯と歯茎の境目、歯周ポケットに溜まった汚れを専用器具でクリーニングします。プラーク(歯垢)や歯石の除去ができるため、表面の黄ばみを軽減します。これは見た目の改善だけでなく、虫歯や歯周病のリスクを下げることになり、口腔全体の健康を保てます。
重度の黄ばみ
- カスタムトレイを使用したホームホワイトニング
- 歯科医院で行うオフィスホワイトニング(当院では行っておりません)
これらは黄ばみを除去するために効果的です。ホームホワイトニングは歯科医院から処方された濃度の高い漂白剤を使用するため、歯の白さを浸透させ持続できます。サロンで患者さん自身が行うセルフホワイトニングと異なり、歯科医院で指導するホワイトニングは、安全に歯を白くすることができます。
黄ばみを防ぐための日常的なケア
日常のケアを徹底することで、歯の変色を予防し、再発を防ぐことができます。
定期的なブラッシング
食べたらすぐブラッシングを行うことを習慣化し、夜寝る前は歯間ブラシやデンタルフロスも使用して念入りにケアをしましょう。フッ素入りの歯磨き剤を使用すると、エナメル質を強化して黄ばみがつきにくくなる効果があります。
マウスウォッシュの活用
抗菌作用のあるマウスウォッシュを使用することで、口内の細菌の繁殖を抑え、黄ばみの原因を取り除けます。
食後のうがい
着色しやすい飲食物を摂取した後は、すぐに水でうがいを行いましょう。色素が歯に沈着するのを防ぐことができます。
禁煙
紙タバコの着色成分は非常に強力で、歯の黄ばみの大きな原因となります。禁煙をすると血行の流れが良くなり、酸素飽和度が上がります。歯周病になっても出血しないため悪化するということが無くなり、歯周組織の免疫状態が上がり、健康状態への改善になります。
まとめ

歯の黄ばみは、生活習慣や加齢によって少しずつ進行するものです。早めに気づき、適切なケアを行うことで、健康で美しい状態を長く保つことができます。歯の黄ばみが気になる場合は、まず自分の歯の色のレベルをチェックし、必要に応じて歯科医院でのカウンセリングやケアを受けることをおすすめします。また、ホワイトニングをされた際には定期的にクリーニングなどを行い、美しい白さを保つようにしましょう。