歯ぐきの出血は歯周病のサイン?原因と正しい対処法を解説

心斎橋クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 山田 秀史

歯ぐきからの出血の原因は歯周病?

結論からお伝えすると、歯ぐきからの出血は歯周病のサインであることが多いです。ただし、すべての出血が歯周病に直結するわけではなく、他の要因が隠れている場合もあります。そのため、放置せずに原因を把握し、適切な対応を取ることが大切です。

この記事はこんな方に向いています

  • 歯ぐきからの出血が気になっている方
  • 歯周病が心配な方
  • 正しい歯磨き方法や生活習慣を見直したい方
  • 歯科医院で健診や治療を受けるべきか迷っている方

この記事を読むとわかること

  1. 歯ぐきからの出血と歯周病の関係
  2. 出血の主な原因と見分け方
  3. 出血を放置した場合のリスク
  4. 自宅でできる予防・改善方法
  5. 歯科医院で受けられる治療内容

 

なぜ歯ぐきから出血するの?原因は歯周病なの?

歯ぐきからの出血の多くは歯周病が関係しています。歯周病は歯垢や歯石によって歯ぐきに炎症が起こる病気で、初期段階では出血が最もわかりやすいサインです。

ただし、歯周病の進行度によって症状は変わり、出血がある時点で注意が必要です。

出血の主な原因は歯周病であり、初期段階での重要なサインです。
出血の原因

  1. 歯垢や歯石の蓄積
    → 歯に付着した歯垢が炎症を引き起こし出血の原因となります。
  2. 歯周病の進行
    → 軽度の歯肉炎から中度・重度の歯周炎に進むと、出血は悪化します。
  3. 不適切な歯磨き
    → 強すぎる歯磨きや不正確な磨き方も出血の要因になります。

これらの原因はすべて歯ぐきの健康を損なうものであり、放置すると歯を失うリスクへとつながります。

歯ぐきの出血を放置するとどうなる?

歯ぐきからの出血は一時的なものだと思って放置してしまう方も少なくありません。しかし、出血は「歯ぐきに炎症が起きている」サインであり、そのままにすると炎症は進行し、歯周病が悪化します。

初期は歯肉炎にとどまりますが、進行すると歯周炎へと移行し、歯ぐきが下がって歯の支えとなる骨(歯槽骨)が溶けていきます。

結果として、歯のぐらつき・噛みにくさ・口臭の悪化などを引き起こし、最終的には歯を失うリスクが高まります。さらに、歯周病は糖尿病や動脈硬化、心臓疾患など全身の健康にも影響を与えるため、放置は大きな危険につながるのです。

出血を放置すると歯周病が進行し、歯を失うだけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼします。

放置すると起こる具体的な変化

  1. 歯肉炎から歯周炎への進行
    → 炎症が歯ぐきの表面だけでなく、歯を支える骨にまで広がります。
  2. 歯ぐきの退縮(下がる)
    → 歯ぐきが痩せて歯が長く見え、見た目の審美性も低下します。
  3. 歯の動揺や噛みにくさ
    → 歯を支える骨が溶け、歯がぐらぐら動き出します。
  4. 強い口臭
    → 歯周ポケット内で細菌が繁殖し、悪臭を放ちます。
  5. 歯の喪失
    → 最終的には歯を支えられなくなり、抜歯に至ることがあります。
  6. 全身疾患との関連
    → 歯周病菌が血管に入り込み、糖尿病・心臓病・脳卒中・早産などと関係することがわかっています。

歯ぐきの出血を放置したときの進行イメージ

進行段階 主な症状 歯ぐき・歯の状態 リスク・影響
初期(歯肉炎) 歯磨き時の出血、軽い腫れ 歯ぐきが赤く腫れて出血しやすい 適切なケアで改善可能
中期(軽度〜中等度歯周炎) 出血の増加、口臭 歯ぐきが下がり始め、歯周ポケットが深くなる 骨の吸収が進行し、歯が少し動く
進行期(重度歯周炎) 強い口臭、噛むと痛い、膿が出る 歯ぐきが大きく下がり、歯がぐらつく 抜歯のリスクが高まる
末期(歯の喪失) 出血・痛み・噛めない 歯を支える骨が大きく失われる 歯を失い、咀嚼や発音に支障が出る

このように、歯ぐきの出血は「最初の注意サイン」であり、放置すると歯を失う重大な結果へと進んでいきます。早めに歯科医院を受診すれば初期の段階で改善できるため、出血を軽視せずに行動することが大切です。

歯ぐきの出血を「よくあること」と軽く考えて放置してしまうと、取り返しのつかない状況を招く可能性があります。特に歯周病は「サイレントディジーズ(静かな病気)」と呼ばれ、自覚症状が少ないまま進行してしまうため要注意です。

出血は体が発するSOSのサインであり、歯科医院での健診や治療を受けるきっかけとして捉えることが、歯と全身の健康を守る第一歩になります。

歯周病以外で出血するケースはある?

歯ぐきからの出血は必ずしも歯周病だけが原因ではありません。例えば、妊娠中のホルモンバランスの変化や血液の病気、ビタミン不足などが関係する場合もあります。出血の頻度や程度、体調との関わりを観察することが大切です。

出血は歯周病以外の原因でも起こることがあります。

歯周病以外の要因

  1. 妊娠中のホルモン変化 → 歯ぐきが腫れやすく出血しやすくなることがあります。
  2. 血液疾患 → 白血病や血小板減少症では歯ぐきの出血が増えることがあります。
  3. 栄養不足 → 特にビタミンC不足は歯ぐきの炎症や出血を悪化させます。

出血が続く場合は全身的な病気も視野に入れ、医師の診断を受けることが推奨されます。

出血を防ぐために自宅でできることは?

自宅でのケアは歯ぐきからの出血予防に大きな役割を果たします。正しい歯磨きやデンタルフロスの使用、規則正しい生活習慣が基本です。また、バランスの取れた食事や禁煙も大切です。

正しいセルフケアで出血は予防・改善できます。

自宅での対策

  1. 正しい歯磨き → 力を入れすぎず、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く。
  2. フロスや歯間ブラシの使用 → 歯と歯の間の歯垢を取り除く。
  3. バランスの良い食事 → 野菜や果物でビタミンCを摂取し歯ぐきを強化する。
  4. 禁煙 → 喫煙は歯周病の大きなリスク要因です。

毎日の積み重ねが歯ぐきの健康を守る最も効果的な方法です。

歯科医院での治療や健診はどんなことをする?

歯科医院では、歯石除去やクリーニングで歯垢・歯石を取り除き、炎症を改善します。さらに、歯周ポケットのチェックやレントゲン撮影で歯周病の進行度を確認し、必要に応じて外科的治療も行います。定期的な健診は予防と早期発見に不可欠です。

歯科医院では歯石除去や健診で歯ぐきの健康を守ります。

歯科での対応

  1. 歯石除去(スケーリング) → 専用の器具で歯石を取り除く。
  2. クリーニング → 歯面をきれいにして再付着を防ぐ。
  3. 歯周ポケット検査 → 進行度を確認し治療計画を立てる。
  4. 外科治療 → 重度の場合には歯周外科を行うこともある。

定期的な受診で予防と早期治療が可能になります。

なぜ歯科での治療や健診が大事なのか?

歯ぐきからの出血は多くの場合、歯周病の初期サインですが、患者さん自身では進行度を正確に判断することが難しい症状です。歯科医院での治療や健診が大切なのは、専門的な検査や処置によって、目に見えない歯周ポケットの状態や歯槽骨の変化を確認できるからです。

さらに、歯石の除去や歯面のクリーニングは自宅のケアでは不可能なため、出血の原因を根本から改善するためには欠かせません。定期的に健診を受けることで、歯周病を早期に発見し、治療を最小限に抑えることができ、将来の歯の喪失を防ぐことにもつながります。

歯科での健診は、自分では気づけない歯周病を早期に発見し、出血の原因を根本から改善できる重要なステップです。

歯科での治療・健診が必要な理由

  1. 正確な診断ができる
    → 歯周ポケット検査やレントゲンで、患者さん自身ではわからない歯ぐきや骨の状態を把握できます。
  2. 専門的なクリーニングが可能
    → 歯石や歯垢は自宅の歯磨きでは完全に取り除けません。スケーリングやPMTCなどで歯ぐきを健康に保ちます。
  3. 治療の早期開始ができる
    → 軽度の段階で発見すれば、治療の負担や費用を最小限に抑えられます。
  4. 全身疾患のリスク管理にも役立つ
    → 歯周病は糖尿病や心臓病と関係があるため、健診は全身の健康管理の一環にもなります。

歯ぐきの出血を感じたら、まずは歯科医院での健診を受けることが最優先です。患者さん自身のセルフケアは大切ですが、それだけでは限界があります。歯科医院での専門的な検査・処置と、日常の正しいケアを組み合わせることで、歯周病を防ぎ、歯を一生守ることができるのです。

まとめ

歯ぐきの出血を見逃さず早めの対策を

歯ぐきからの出血は、多くの場合歯周病のサインであり、放置すれば歯を失う原因になります。また、歯周病は全身の健康にも影響するため、自己判断せず歯科医院での健診を受けることが重要です。正しいセルフケアと定期的な専門的ケアを組み合わせることで、健康な歯ぐきを維持できます。

歯ぐきの出血は歯周病のサイン。放置せず早めのケアと受診が大切です。