矯正歯科

矯正中に口の中が傷だらけの原因や応急処置は?

矯正中に口の中が傷だらけの原因や応急処置は?

矯正中に口の中が傷だらけになり嫌だなと思われる方はおられます。傷だらけになる原因や応急処置、調整の重要性やケアの必要性について詳しくご紹介いたします。

矯正で口の中が傷だらけになる原因

  • 矯正装置が口腔内の粘膜に当たってできた
  • いつものように食べ物を噛んでいたら粘膜を噛んでしまった

矯正治療中に口の中が傷つくのはよく起こりがちです。このようなトラブルは、矯正治療を始めたばかりの頃や、矯正器具を調整された直後に発生しやすいです。

ブラケットやワイヤーの刺激

マルチブラケット矯正(ワイヤー矯正)は歯の表面にブラケットという突起をつけ、ブラケットの中にワイヤーを通す方法です。ブラケットがお口の中の粘膜に当たって刺激となります。きれいな歯並びのために我慢しようと思っても、痛みや不快な症状が長引けば精神的にも矯正治療がつらくなってしまいます。

歯の位置が動いた

矯正治療は歯を動かす治療です。歯の位置が動くことで、以前まで噛んでいた部分で噛むと粘膜や歯茎を噛んでしまい、口内炎になるということが考えられます。

傷だらけの口の応急処置

口の中が傷だらけになってしまったならまずは応急処置を行いましょう。以下の方法で痛みを和らげることができます。

市販の口内炎用薬を使用

市販の口内炎用の軟膏や貼るパッチを使用すれば、傷口の痛みを和らげることができます。ただ、これはあくまで応急処置ですので、痛みがひどい場合は、歯科医院へ行き、薬を処方してもらいましょう。

口内用ワックスの使用

歯科矯正用の粘膜保護材(ワックス)には、シリコンタイプとペーストタイプの二種類があります。ワックスを爪の大きさぐらいにちぎり柔らかくほぐして、ブラケットや器具の上に貼り付け、粘膜に当たる部分を保護します。矯正器具に付けるワックスは専用のものを使用して、器具と口内の粘膜の間にクッションを作り傷を防ぎます。食事前にはワックスを外すことを推奨しますが、万が一飲み込んでしまっても、体に害はありません。

口内洗浄とケア

塩水でうがいをすることで、傷口の消毒と炎症の軽減が期待できます。また、市販の口内洗浄液やうがい液を使用するのも効果的です。

冷たい飲み物や食べ物を摂取する

冷たい飲み物やアイスクリームを食べると、口腔内の痛みを一時的に和らげることができます。冷やすことで炎症は軽減されますが、あくまで一時的です。

矯正歯科医師へ相談

下記のような場合は速やかに担当医へ相談しましょう。適切な対処をしてもらえば症状を軽減することができます。

  • 粘膜の傷がひどく口内炎が治らない
  • どうしても歯周組織の痛みが長引く

定期的な調整の重要性

定期的な矯正器具の調整は、治療の一環として非常に重要です。調整を怠ると、口内の傷が悪化する可能性があります。しっかりと調整を行い、粘膜の傷や歯並びを改善しましょう。

適切な歯磨き方法

日常的にオーラルケアを丁寧に行うことで、傷を予防することができます。矯正器具に対応した歯ブラシを使用し、丁寧にブラッシングを行いましょう。

  • 山型の歯ブラシ
  • 谷型の歯ブラシ
  • ジェットウォッシャー

矯正器具と歯の境目をしっかりと歯ブラシで磨いても歯垢や汚れの除去がなかなか難しい場合があります。その部分から虫歯になるのを防ぐため、円錐のブラシや水流で汚れを落とすジェットウォッシャーを使うとより効果的です。デンタルフロスや歯間ブラシも併用すれば、清潔な口内環境を保てます。

マウスガードの利用

夜間に歯ぎしりをする場合は、ナイトガードを使用することで口腔内の傷を防ぐことができます。スポーツを行っている方の中にはオーダーメイドのマウスガードを使用される方も多くみられます。ただし、いずれのケースでも、歯列矯正中にマウスガードを使用したいと思われたならば、必ず担当医に相談のうえ、許可を得ることが大切です。

まとめ


矯正治療中に口の中が傷だらけになった場合、適切な応急処置と日常ケアが重要です。口内用ワックスや市販薬の利用、冷たい飲食物の摂取などで痛みを和らげつつ、矯正医と定期的に相談しながら治療を進めることが大切です。日常のケアを徹底することで予防し、快適な矯正治療を続けましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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