歯の根元に痛みを感じた場合、その痛みの原因はさまざまであり、放置すると症状が悪化することがあります。歯の根元が痛いときの原因が虫歯にある場合についてご説明します。
歯の根元が痛い原因
歯の根元に痛みが出る場合に考えられる原因は以下のようなものです。
- 虫歯・・虫歯が進行して歯の内部まで感染が広がり、神経に達した場合、歯の根元に激しい痛みを感じることがあります。
- 歯周病・・歯周病は最近の出す毒素で歯周組織に炎症が起こり、歯の根元に膿がたまった痛みが生じることがあります。
- 歯根破折・・外部からの強い衝撃や過剰な力がかかると、歯の根が割れてしい、歯の根元に鋭い痛みを感じることがあります。
- 歯根膜炎・・歯根膜炎は歯を支える膜に炎症が起きる病気で、歯の根元に圧迫感や痛みを感じることがあります。
- 歯根嚢胞・・歯の感染や炎症によって歯の根元に嚢胞(液体がたまる袋状のもの)ができると、痛みや腫れを感じることがあります。
虫歯による歯の根元の痛みと治療法
虫歯は、歯の表面のエナメル質が細菌によって侵食され、徐々に内部の象牙質や歯髄に進行する病気です。歯髄には神経と血管が集中しており、ここに達すると強い痛みを引き起こします。
特に歯の根元で痛みを感じる場合は、虫歯が深く進行している可能性があります。以下に、虫歯で歯の根元が痛くなる具体的な原因とその過程をご説明します。
虫歯の進行段階
1. 初期段階:エナメル質の虫歯
初期の虫歯は、歯の表面に白斑や小さな穴が見られます。この段階では痛みを感じることは少ないですが、冷たいものや甘いものを摂取した際に軽い違和感を覚えることがあります。
2. 中期段階:象牙質の虫歯
虫歯が進行して象牙質に達すると、冷たい飲食物や甘いものに対して強い痛みを感じるようになります。象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、虫歯が進行しやすくなります。この段階では、歯の根元にも痛みを感じることがあります。
3. 後期段階:歯髄の虫歯
虫歯がさらに進行して歯髄に達すると、歯の内部で炎症が起こり、激しい痛みを引き起こします。この痛みは持続的で、夜間に特に強く感じることが多いです。歯髄が感染すると、歯の根元にも強い痛みが広がります。
虫歯が原因で歯の根元が痛くなる具体的な理由
1. 歯髄炎
虫歯が歯髄に達すると、歯髄炎が起こります。これは歯の神経が炎症を起こし、痛みが生じる状態です。炎症が進行すると、歯髄が死んでしまうこともあり、激しい痛みが続きます。
2. 歯根膜炎
歯髄が感染して死ぬと、感染が歯根膜(歯を支える膜)に広がることがあります。これにより、歯根膜炎が起こり、歯の根元に圧迫感や痛みを感じるようになります。特に噛むときに強い痛みを感じることがあります。
3. 歯根尖周囲炎
歯根の先端周囲に炎症が広がると、歯根尖周囲炎が発生します。これは歯の根元に膿がたまり、腫れや痛みを引き起こします。膿がたまることで、歯茎が腫れ、顔全体に痛みが広がることもあります。
痛みを和らげるための応急処置
歯の根元に痛みを感じた場合、以下の方法で一時的に痛みを和らげることができます。
- タオルに包んだ保冷パックを頬の外側から当てて冷やす
- 冷たいものを口に含んで冷やす
- 市販の鎮痛薬を使用する
- 食事は痛みのある箇所を避けて噛む
歯科医院での治療方法
1. 虫歯の治療
虫歯の進行段階に応じて、適切な治療が行われます。初期の虫歯であれば、虫歯部分を削って詰め物をすることで治療が完了しますが、中期から後期にかけては、より深い治療が必要です。
2. 根管治療
虫歯が歯髄に達している場合は、根管治療が必要です。これは、感染した歯髄(神経・血管)を取り除き、根管を清掃・消毒してから詰め物をする治療法です。根管治療により、歯の保存が可能になります。数回の通院が必要になります。
3. 抜歯
歯の損傷が深刻な状態の場合は、抜歯が必要となることがあります。抜歯後は、インプラントやブリッジなどの補綴治療が行われます。
虫歯の予防策
虫歯によって痛みが出ることを予防するには、まず虫歯にならないことが大切です。虫歯予防のためには毎日の丁寧な歯磨きが欠かせません。以下の方法で予防を心がけましょう。
- 毎日の歯磨きを徹底する
- 定期的に歯科健診を受ける
- 糖分の多い食べ物や飲み物を控える
- 間食は時間を決めて取る
- 歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
まとめ
虫歯が原因で歯の根元に痛みを感じる場合、虫歯の進行がどの程度かによって治療方法が変わります。虫歯の初期段階では軽い違和感で済むことが多いですが、進行するにつれて激しい痛みを引き起こします。
歯の根元の痛みを防ぐためには、毎日の歯磨きと定期的な歯科健診が重要です。痛みを感じた場合は、早急に歯科医の診察を受けることをおすすめします。