虫歯

スポーツドリンクは虫歯になるの?

スポーツドリンクは虫歯になるの?

心斎橋クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 山田 秀史

夏場によく飲まれるスポーツドリンクは、砂糖が多く含まれており、酸性度も高いことから、虫歯になるリスクが高い飲み物といわれます。虫歯にならないためにはスポーツドリンクとどう付き合えばいいのかご説明します。

スポーツドリンクは砂糖の含有量が多く、酸性度が高いため虫歯の原因になる

市販されているスポーツドリンク500mlの中には、エネルギーを補うために約30gの砂糖(スティックシュガー10本分)が含まれています。

砂糖は虫歯菌(ミュータンス連鎖球菌)のエサとなり、虫歯菌の出す酸が歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯になってしまいます。つまり、スポーツドリンクをとりすぎると、虫歯菌によって多量の酸がつくられてむし歯ができやすくなります。

さらに重要なのは、市販の一般のスポーツドリンクはpH3.5で、意外に酸性度が高く、歯にダメージを与えるということです。スポーツドリンクをたくさん飲むと、虫歯菌の出す酸に加えて、スポーツドリンク自体が酸性の飲み物であることから、虫歯ができやすくなってしまいます。

暑い季節に熱中症から身体を守るためのスポーツドリンク

炎天下でのスポーツ

熱中症から身体を守るために気をつけたいのは、体温調節と水分補給、ミネラル補給です。特に炎天下の屋外でスポーツをする人や、子供や高齢者にとっては、喉が渇く前に水分を補給することが大切といわれます。

スポーツドリンクは、汗で失われた水分や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)と運動で消費したエネルギーをすばやく補給できるため、真夏の熱中症対策に役立ちます。

むし歯リスクを減らすためのスポーツドリンクの飲み方

スポーツドリンク

スポーツドリンクには砂糖が多量に含まれており、酸性度も高いことから、虫歯にならないように飲みかたを工夫しなければ、虫歯のリスクが高まります。

アスリートの皆さんは、日常的にスポーツドリンクを摂取しているため、それ以外の人々と比べると虫歯や歯のエナメル質が溶ける酸蝕症(さんしょくしょう)の発症率が高いことが、国内外の研究成果からわかっています。

その一例としては、2012年のロントンオリンヒック参加選手278名を対象に行なわれた調査の結果、虫歯になっている人の率は55.1%、酸蝕症の人は44.6%もの高い値となりました。

虫歯になるリスクが高いとはいえ、アスリートにとっては運動時の積極的な水分補給が必要不可欠です。スホーツトリンクを一切口にしないという選択肢はありません。そこで、歯に対するリスクを軽減する飲みかたをご提案します。

1.スポーツドリンクはゴクゴクと一気に飲む

歯のエナメル質が溶けないようにするには、スポーツドリンクを少しずつ飲んだり、飲んだ後口の中に暫く貯めて味わうのは厳禁です。

一気にゴクゴク飲んで、出来るだけスポーツドリンクが歯に触れる時間を短くしましょう。また、ホトルからじかに飲んだり、コップから飲むよりは、ストローを口の奥まてくわえて飲んたほうか、虫歯や酸蝕症のリスクは下がります。

2.スポーツドリンクを飲む時季

麦茶

汗をかいて体力を消耗する真夏には、スポーツドリンクを飲んで水分やミネラルの補給をするのが良いですが、涼しい季節なら冷やした水やお茶で十分です。

スポーツドリンクと虫歯に関するQ&A

スポーツドリンクはなぜ虫歯になるリスクが高いと言われているのですか?

スポーツドリンクは大量の砂糖を含み、酸性度も高いため、これが虫歯菌の増殖や歯のエナメル質を溶かす要因となり、虫歯を引き起こすリスクが高まります。

スポーツドリンクを飲んだ後に歯を磨くべきですか?

スポーツドリンクを飲んだ後は、できるだけ早く口をゆすぐか、歯を磨くことが虫歯のリスクを減らすためには推奨されます。

砂糖の代わりに人工甘味料を使用したスポーツドリンクは虫歯リスクを減らしますか?

人工甘味料を使用したスポーツドリンクは砂糖に比べて虫歯リスクを下げる可能性はありますが、それでも酸性度は問題となる可能性があります。

まとめ

スポーツドリンク

歯になるべくダメージをあたえないためのスポーツドリンクの飲み方についてご説明しました。アスリートにとっては真夏の熱中症を防ぐ為に必須ともいえるスポーツドリンクですが、飲み方を工夫することで、虫歯や酸蝕症にならないように気をつけましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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