矯正歯科

矯正治療中の口臭対策を教えて

矯正治療中の口臭対策を教えて

矯正治療中は歯の隙間や装置の周りに歯垢が溜まりやすく、それが口臭の原因となることがあります。矯正治療中の口臭対策について具体的な方法をご説明します。

矯正治療中の口臭の原因を知ろう

矯正治療中に口臭が発生しやすい理由には以下のようなものがあります。

1. 歯垢がたまった

矯正装置の周囲には食べ物の残りカスや歯垢が溜まりやすく、それが細菌の繁殖をまねきます。細菌が食べ物のカスを分解する際に発生するガスが、口臭の主な原因となります。特に矯正装置が複雑な構造をしている場合は、手入れが行き届かない箇所に歯垢が溜まりやすくなります。

2. 唾液が減った

矯正装置を装着すると、装置が口内の自然な動きを妨げることがあります。その結果、唾液の分泌が減少します。唾液は口内の洗浄や細菌の繁殖を抑える役割を果たすため、唾液の量が減ると口内の環境が悪化して、口臭が発生しやすくなります。

3. 装置自体に匂いがついた

矯正装置が定期的に清掃されていない場合、装置そのものに汚れが付着し、匂いの原因となることがあります。特に取り外し可能な装置は、食べ物のカスが付着したままになると、細菌が繁殖して悪臭を放つことがあります。

4. 歯茎に炎症が起こった

矯正治療中は歯磨きが行き届かない場合が多く、歯茎が腫れたり炎症を起こしたりすることがあります。炎症が進行すると、歯周病の原因となる細菌が増殖し、その結果として強い口臭を引き起こします。

毎日のデンタルケアで予防する方法

矯正治療中でも口臭を防ぐためには、以下の方法を実践しましょう。

正しい歯磨き方法

  • 矯正用の歯ブラシを使用し、軽く持って装置の周囲や歯の隙間を丁寧に磨きましょう。
  • 歯間ブラシやタフトブラシ、デンタルフロスを活用して、通常の歯ブラシでは届かない部分を清掃します。

デンタルウォッシュの活用

  • 抗菌作用のある洗口液を使用することで、口内の細菌の繁殖を抑えることができます。
  • アルコールフリーの製品を選ぶと、口内の乾燥を防げます。

矯正装置の清掃

  • 取り外し可能な装置は、専用の洗浄液を使って定期的に清掃しましょう。
  • 固定式の装置の場合は、装置周辺を特に注意して磨くよう心掛けてください。

食生活の改善で口臭を防ぐ

食生活の見直しも口臭対策に有効です。以下のポイントを参考にしてください。

口臭を引き起こしやすい食べ物を避ける

  • にんにくや玉ねぎ、香辛料の強い食品は控える。
  • 甘いお菓子は細菌のエサになりやすいため、摂取を減らす。

水分をしっかり摂る

唾液の分泌を促すために水分を十分に摂取することが大切です。

繊維質の多い食品を摂取する

野菜や果物などの繊維質が多い食品は、良く噛むことで自然な歯磨き効果があります。

定期的な健診と専門的なケア

矯正治療中は、定期的な歯科医院での健診とクリーニングも重要です。

歯科医院でのクリーニング

  • 専門的なクリーニングにより、歯垢や歯石を徹底的に除去してもらえます。
  • 特に矯正装置の周囲は自宅ケアでは難しいため、歯科医院のサポートが欠かせません。

健診でのアドバイス

  • 歯科衛生士に正しい歯磨きの仕方を再確認しましょう。
  • 必要に応じて、口臭の原因を特定するための検査を受けることもおすすめです。

日常生活で意識するべきこと

矯正治療中の口臭対策には、生活習慣の見直しも欠かせません。

1. ストレス管理

ストレスがかかると、唾液の分泌が減少することがあります。これを防ぐために、リラックスできる趣味や活動を見つけ、ストレスを上手に発散させましょう。また、深呼吸やヨガなどのリラクゼーション法を取り入れることも有効です。

2. タバコを控える

喫煙は口内環境に悪影響を与え、口臭の原因となります。禁煙を目指すだけでなく、周囲の受動喫煙も避けるよう心掛けてください。タバコをやめることで、全身の健康状態も改善されます。

3. 口呼吸を避ける

口呼吸はお口の中を乾燥させるだけでなく、細菌を繁殖させる原因となります。日中は出来るだけ鼻呼吸を意識して行うようにしましょう。寝ている間の口呼吸を防ぐためには、加湿器を使ったり、口呼吸を防ぐテープを活用したりする方法があります。

4. 適度な運動を取り入れる

運動は体全体の血行を良くし、代謝を向上させるため、唾液の分泌を促進します。ウォーキングや軽いエクササイズを日常生活に取り入れることで、口臭予防だけでなく全体的な健康向上にもつながります。

5. 就寝前のケアを徹底する

夜間は唾液の分泌が減少するため、細菌の繁殖が活発になりやすい時間帯です。歯磨きだけでなく、抗菌作用のあるマウスウォッシュを使用することで、口内を清潔に保つことができます。また、取り外し可能な矯正装置は寝る前に洗浄しておくと安心です。

6. 適切な水分補給

こまめに水を飲むことで、口内の乾燥を防ぎ、唾液の分泌を促進します。特に寝起きや食事の後に水を摂る習慣をつけると効果的です。また、カフェインやアルコール飲料は利尿作用があるため、摂取しすぎないように注意してください。

まとめ

矯正治療中の口臭対策は、毎日のデンタルケアと生活習慣の見直しがポイントです。

  1. 歯磨きを丁寧に行い、装置もきれいに洗う
  2. 食生活を改善して唾液の分泌を促す
  3. 定期的な健診でクリーニングを受ける

これらを継続することで、矯正治療中でも清潔で快適な口内環境を維持できます。患者さんお一人おひとりに合った対策を取り入れて、安心して治療を進めていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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