子供が歯をぶつけたらどうする?乳歯・永久歯別の応急処置と受診の目安

子供が歯をぶつけたらどうしたらいいの?
子供が歯をぶつけたら、まず意識や頭のケガ、大きな出血がないかを確認してください。そのうえで、歯がぐらついていないか、欠けていないか、抜けたり位置がずれたりしていないかを確認します。
特に永久歯が完全に抜けた場合は、できるだけ早い対応が重要です。抜けた歯の根を触らず、乾燥させないように保存して、速やかに歯科医院へ連絡してください。
一方、抜けた乳歯は原則として元の場所には戻しません。
乳歯の下にはこれから生えてくる永久歯があるためです。乳歯なのか永久歯なのかわからない場合も、自己判断で戻そうとせず、歯科医院へ連絡しましょう。
また、歯の外傷は「ぶつけた当日だけ」が問題とは限りません。その日は痛みがなくても、数日から数週間経って歯が変色したり、歯茎が腫れたりすることがあります。そのため、ぶつけた直後の対応と、その後の経過観察の両方が大切です。
この記事を読むとわかること
- 子供が歯をぶつけた直後に確認すること
- 乳歯と永久歯で対応がどう違うのか
- 歯が抜けた場合の正しい保存方法
- 歯がぐらぐらする・欠けた・めり込んだ場合の対処法
- ぶつけた歯が変色した場合の考え方
- 頭も打っている場合の受診先
- 歯をぶつけた後の食事や歯磨き
- 数日~数週間後に注意したい変化
- 乳歯の外傷が永久歯へ与える影響
慌てているときほど、すべてを一度に確認しようとせず、「全身→口の出血→歯」の順番で見ていくと状況を整理しやすくなります。
目次
- 1 子供が歯をぶつけたら最初に何を確認すればよいですか?
- 2 乳歯と永久歯では歯をぶつけたときの対処法が違いますか?
- 3 永久歯が完全に抜けたらどうすればいいですか?
- 4 歯がぐらぐらしているときはどうすればよいですか?
- 5 歯が欠けた・折れた場合はどうすればよいですか?
- 6 歯がめり込んだり位置がずれたりした場合はどうしますか?
- 7 ぶつけた歯が変色したら神経が死んでいるのですか?
- 8 見た目に問題がなくても歯医者へ行った方がよいですか?
- 9 子供が歯をぶつけたらすぐに歯医者へ行くべきサインはありますか?
- 10 頭も打っている場合は歯医者と病院のどちらを優先しますか?
- 11 歯をぶつけた後の食事や歯磨きはどうすればよいですか?
- 12 歯をぶつけた後はどのくらい様子を見る必要がありますか?
- 13 乳歯をぶつけると永久歯に影響することがありますか?
- 14 スポーツ中の歯の外傷は予防できますか?
- 15 まとめ
子供が歯をぶつけたら最初に何を確認すればよいですか?

歯をぶつけたときは、最初から歯だけを見るのではなく、まず意識や頭部のケガ、大きな出血がないかを確認します。全身状態に問題がなければ、口の出血を止め、歯のぐらつき・欠け・位置のずれ・脱落などを確認してください。頭部外傷が疑われる場合は、歯科より医科での診察を優先することがあります。
まず全身状態を確認し、その後に口の出血と歯の状態を確認しましょう。
転倒や衝突で前歯を強くぶつけた場合、歯だけでなく唇や歯茎、顎、頭などにも衝撃が加わっている可能性があります。
次の順番で確認してみてください。
1.意識や頭の状態を確認する
次のような症状がないか確認します。
- 意識がぼんやりしている
→ 呼びかけに対する反応がいつもと違う場合は、頭部への影響を考える必要があります。 - 嘔吐を繰り返している
→ 頭を強く打ったあとに何度も吐いている場合は注意が必要です。 - 強い頭痛やめまいを訴える
→ 歯の痛みとは別に、頭部外傷について医科での診察が必要になることがあります。 - けいれんがある
→ すぐに医療機関へ相談してください。 - いつもと明らかに様子が違う
→ 眠り方や反応などに違和感がある場合も、歯だけの問題として扱わないようにします。
このような症状がある場合は、歯科治療よりも頭部外傷への対応を優先します。
2.口の出血を確認する
唇や歯茎から出血している場合は、清潔なガーゼなどを使って患部をやさしく圧迫します。
大量に水で何度もうがいをすると止まりかけた出血が再び始まることがありますので、出血部位を確認しながら落ち着いて対応してください。
3.歯の状態を確認する
次に、
- 歯がぐらぐらしていないか
- 欠けたり折れたりしていないか
- 歯の位置がずれていないか
- 歯茎の中へめり込んでいないか
- 歯が完全に抜けていないか
- 噛み合わせが変わっていないか
を確認します。
ただし、ぐらぐらしている歯を何度も指で動かす必要はありません。
歯をぶつけた直後は、何から確認すればよいのかわからなくなるものです。
次の表のように「全身→出血→歯」の順番で整理すると判断しやすくなります。
| 状態 | 最初の対応 | 次にすること |
|---|---|---|
| 頭も強く打った | 意識・嘔吐・頭痛などを確認 | 異常があれば医科への受診を優先 |
| 口から出血している | 清潔なガーゼで圧迫 | 止血後に歯の状態を確認 |
| 歯がぐらついている | 何度も触らない | 早めに歯科医院へ |
| 歯が欠けた | 破片があれば探す | 破片を持って歯科医院へ |
| 永久歯が抜けた | 根を触らず乾燥させない | できるだけ早く歯科医院へ |
| 乳歯が抜けた | 自分で元に戻さない | 歯科医院へ相談する |
歯のケガは見た目だけでは損傷の程度がわからないことがあります。落ち着いた後に「大丈夫そう」と思っても、強くぶつけている場合は歯科医院で確認してもらうと安心です。
乳歯と永久歯では歯をぶつけたときの対処法が違いますか?
国際外傷歯学会(IADT)のガイドラインでも、乳歯の外傷は永久歯とは異なる対応が必要とされています。
乳歯と永久歯では、外傷を受けたときの治療方針が異なることがあります。特に大きく違うのが、完全に抜けた場合です。抜けた永久歯は再植できる可能性があるため迅速な対応が重要ですが、抜けた乳歯は原則として再植しません。
特に「抜けた歯」の対応は、乳歯と永久歯で大きく異なります。
子供の歯の外傷で必ず確認しておきたいのが、その歯が乳歯なのか永久歯なのかという点です。
永久歯が抜けた場合
永久歯は、その後生え替わる歯がありません。完全に抜けてしまった永久歯でも、条件がよければ元の場所へ戻す「再植」ができる場合があります。
そのため、抜けてから歯科医院で処置を受けるまでの時間と、抜けた歯を乾燥させないことが非常に重要です。
乳歯が抜けた場合
国際外傷歯学会(IADT)の乳歯外傷ガイドラインでは、完全に抜けた乳歯は永久歯とは異なる管理が必要とされています。
乳歯の場合は対応が違います。外傷で完全に抜けた乳歯を保護者の方が元の位置へ戻すことはしないでください。
乳歯の根の近くには、これから生えてくる永久歯が作られています。無理に戻すことで永久歯へ影響する可能性があるためです。
「歯が抜けたら牛乳に入れる」という知識を聞いたことがある方もおられると思いますが、これは主に抜けた永久歯を想定した対応です。
乳歯と永久歯を同じように扱わないことが重要です。
| 比較項目 | 乳歯 | 永久歯 |
|---|---|---|
| 完全に抜けた場合 | 原則として再植しない | 再植できる可能性がある |
| 緊急性 | 歯科医院で確認が必要 | 特に迅速な対応が重要 |
| 歯の下の状態 | 永久歯が作られている | 次に生え替わる歯はない |
| 外傷後に注意すること | 後続永久歯への影響 | 外傷を受けた歯自体の予後 |
| 経過観察 | 必要 | 必要 |
子供の年齢や生え替わりの時期によっては、保護者の方から見ても乳歯か永久歯かわからないことがあります。その場合も自己判断せず、歯科医院へ「歯が完全に抜けた」と伝えて指示を受けましょう。
永久歯が完全に抜けたらどうすればいいですか?
国際外傷歯学会(IADT)のガイドラインでは、永久歯の完全脱臼では、迅速で適切な応急処置がその後の予後に重要だとされています。
永久歯が完全に抜けた場合は、歯の根に付着している歯根膜を傷めないことが重要です。白く見える歯冠部分を持ち、根にはできるだけ触れません。歯を乾燥させず、歯の保存液や冷たい牛乳などに入れて、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
抜けた永久歯は「根を触らない・乾燥させない・すぐ受診」が重要です。
永久歯が完全に抜けることを「完全脱臼」といいます。
その場合、次の対応をしてください。
歯の白い部分を持つ
抜けた歯には、
- 歯冠……普段見えている白い部分
- 歯根……骨の中に入っていた根の部分
があります。
持つのは歯冠部分です。
歯根の表面には、歯を再植した後の治癒に重要な歯根膜の細胞が残っているため、できるだけ触らないようにします。
ゴシゴシ洗わない
抜けた歯に砂などが付いていても、歯ブラシでこすったり、洗剤で洗ったりしないでください。
汚れている場合も強くこすらず、適切な方法で扱う必要があります。
乾燥させない
抜けた永久歯では、乾燥している時間をできるだけ短くすることが重要です。
歯を保存する場合は、
- 歯の保存液
- 冷たい牛乳
- 生理食塩水
などを利用します。
水道水は、歯根膜の細胞に適した保存環境ではないため、保存液や牛乳などが利用できる場合はそちらを優先します。
また、小さな子供に歯を口の中へ含ませて運ばせる方法は、誤って飲み込んだり気管に入ったりする危険があるため避けましょう。
できるだけ早く歯科医院へ
「1時間以内なら大丈夫」と考えて時間を使うのではなく、できるだけ早く受診することが大切です。
抜けた歯の保存状態と、歯が口の外にあった時間は、その後の経過に大きく関係します。
歯がぐらぐらしているときはどうすればよいですか?
ぶつけた後に歯がぐらぐらする場合は、歯を支える歯根膜や歯槽骨が傷ついている可能性があります。何度も指や舌で動かさず、早めに歯科医院を受診してください。動揺の程度によっては隣の歯と一時的に固定することがあります。
外傷後のぐらつきは触り続けず、歯科医院で状態を確認しましょう。
歯をぶつけた後のぐらつきを「動揺」といいます。
軽い衝撃であれば経過観察となる場合もありますが、外傷によって、
- 歯根膜が傷ついた
- 歯の位置が少しずれた
- 歯槽骨が損傷した
- 歯根が折れている
といった可能性があります。
保護者の方が何度も指で歯を動かして確認したり、子供自身が舌で触り続けたりしないようにしましょう。大きく動いている場合や、噛むとその歯だけ先に当たる場合には、歯の位置が変わっている可能性があります。
歯科医院では外傷の種類や動揺の程度を確認し、必要に応じて隣の歯と一時的に固定します。
永久歯の破折や脱臼については、国際外傷歯学会(IADT)のガイドラインでも、外傷の種類に応じた適切な診断と治療、経過観察が重要とされています。
歯が欠けた・折れた場合はどうすればよいですか?
小さく欠けただけでも、歯の内部にどこまで損傷が及んでいるかによって治療は異なります。歯の破片が見つかった場合は捨てずに持参してください。大きく折れて神経が露出している場合でも、年齢や永久歯の歯根の成長状態によっては神経をできるだけ残す治療を検討することがあります。
欠けた歯の破片は捨てずに持参し、欠け方が大きい場合は早めに受診しましょう。
歯の表面がほんの少し欠けただけの場合は、角を整えたり、歯科用の白い樹脂で修復したりすることがあります。
一方、大きく折れた場合は、歯の内側にある象牙質や神経まで損傷が及んでいる可能性があります。
特に、
- 欠けた面から血のような赤い部分が見える
- 冷たいものに強くしみる
- 何もしなくても痛がる
- 欠けた範囲が大きい
場合は、できるだけ早く受診してください。
また、欠けた歯の破片が見つかったら捨てないでください。破片の状態によっては、治療に利用できる場合があります。
子供の生えたばかりの永久歯では歯根がまだ完成していないことがあります。そのため、「大きく折れたらすぐ神経を全部取って被せ物」という一律の治療ではなく、神経の状態や歯根の成長段階を見ながら、可能な範囲で神経を残す治療を検討する場合があります。
歯がめり込んだり位置がずれたりした場合はどうしますか?
歯を強くぶつけると、歯が骨の中へ押し込まれる「陥入」や、前後・左右へ位置がずれる脱臼が起こることがあります。自分で引っ張ったり押したりして元に戻そうとせず、歯科医院で診断を受けてください。乳歯では下にある永久歯との関係も確認します。
歯の位置が変わった場合は自分で戻さず、早めに歯科医院へ相談してください。
歯が抜けていなくても、外傷によって位置が変わることがあります。
たとえば、
- 隣の歯より短くなったように見える
- 歯が歯茎の中へ入ったように見える
- 前方や後方へ傾いている
- 噛んだときに急に歯が当たるようになった
といった場合です。
歯が歯槽骨の中へ押し込まれる状態を「陥入」といいます。
特に小さな子供の乳歯では、転倒によって前歯が歯茎の中へめり込むことがあります。
「見えなくなったから歯が抜けた」とは限りません。
無理に引っ張ったり、指で押し戻したりせず、歯科医院で確認してください。
ぶつけた歯が変色したら神経が死んでいるのですか?
外傷後の歯は、ピンク色・灰色・茶色などに変色することがあります。ただし、変色だけで神経が死んでいるとは判断できません。特に乳歯では、一度変色した後に色が薄くなることもあります。痛み、腫れ、膿、歯茎のできものなどを含めて経過を確認します。
ぶつけた後の変色だけでは神経の状態は判断できません。歯科医院で経過を確認しましょう。
歯をぶつけた直後や、数日~数週間経ってから歯の色が変わることがあります。
たとえば、
- ピンクっぽく見える
- 灰色になった
- 茶色っぽくなった
- 黒っぽく見える
といった変化です。
以前は「黒くなったら神経が死んでいる」と単純に説明されることもありましたが、歯の色だけで神経の状態を確定することはできません。
特に乳歯では、変色が見られても、その後色が薄くなることがあります。
一方で、
- 歯茎が腫れてきた
- 歯茎にニキビのようなできものができた
- 膿が出ている
- 痛みが続く
- 歯のぐらつきが増えた
といった症状を伴う場合は、歯の内部で感染が起こっている可能性があります。
「色が変わったけれど痛くないから大丈夫」と放置せず、歯科医院で確認してもらいましょう。歯の外傷にはさまざまなパターンがあり、見た目だけでは重症度を判断しにくいことがあります。症状ごとの基本的な対応を整理すると次のようになります。
| 症状 | 考えられる状態 | 基本的な対応 |
|---|---|---|
| 歯がぐらぐらする | 亜脱臼・脱臼など | 触りすぎず早めに歯科受診 |
| 歯が欠けた | 歯の破折 | 破片を持参して受診 |
| 歯が完全に抜けた | 完全脱臼 | 乳歯・永久歯で対応を分ける |
| 歯がめり込んだ | 陥入 | 自分で戻さず受診 |
| 歯の位置がずれた | 脱臼 | 早めに受診 |
| 歯が変色した | 歯髄への影響など | 症状とあわせて経過を確認 |
| 歯茎が腫れた・膿が出る | 感染の可能性 | 歯科医院を受診 |
外傷は「歯が折れたかどうか」だけを見るのではなく、歯の位置、歯茎、噛み合わせまで一緒に確認することが大切です。
見た目に問題がなくても歯医者へ行った方がよいですか?
歯を強くぶつけた場合は、見た目に大きな異常がなくても歯科医院での確認をおすすめします。歯根や歯根膜、歯槽骨、歯の神経など、外から見ただけではわからない場所が傷ついていることがあるためです。また、外傷による変化が後から現れる場合もあります。
強くぶつけた場合は、見た目が大丈夫でも歯科医院で確認すると安心です。
外傷直後に、
「出血が止まった」
「歯も折れていない」
「子供も痛くないと言っている」
という状態なら、保護者の方はほっとすると思います。
しかし、歯の外傷では外から見えない、
- 歯根
- 歯根膜
- 歯槽骨
- 歯髄
などに影響が出ている場合があります。
また、受傷したその日には問題がわからず、時間が経ってから変色、痛み、歯茎の腫れなどが現れることもあります。
特に前歯を強くぶつけた場合や、以前とは歯の位置が違って見える場合は、症状が軽くても一度歯科医院へ相談するとよいでしょう。
子供が歯をぶつけたらすぐに歯医者へ行くべきサインはありますか?
歯が完全に抜けた、大きくぐらつく、位置がずれている、歯茎の中へめり込んでいる、大きく欠けた、出血が止まりにくいなどの場合は早めの歯科受診が必要です。また、その日は問題がなくても、後から変色・腫れ・膿などが出た場合には再度受診してください。
抜けた・大きく動く・位置が変わった・大きく欠けた場合は、早めに歯科医院へ連絡しましょう。
特に早めの受診をおすすめするのは、次のような場合です。
- 永久歯が完全に抜けた
→ 歯を乾燥させず、できるだけ早く歯科医院へ向かいます。 - 歯が大きくぐらぐらしている
→ 固定などの処置が必要な場合があります。 - 歯の位置が変わっている
→ 脱臼や陥入が考えられます。 - 歯が大きく欠けている
→ 神経まで損傷が及んでいる可能性があります。 - 噛み合わせが急に変わった
→ 歯の位置や歯槽骨に変化が起きている可能性があります。 - 口の出血が止まりにくい
→ 歯茎や唇以外の損傷も含めて確認が必要です。 - 強い痛みが続く
→ 歯や周囲組織が傷ついている可能性があります。
一方、外傷では「後から受診が必要になるサイン」もあります。
数日から数週間後に歯の色が変わった、歯茎が腫れた、膿が出た、噛むと痛くなったなどの変化があれば、いったん症状が落ち着いていても歯科医院へ相談してください。
頭も打っている場合は歯医者と病院のどちらを優先しますか?
転倒などで歯と同時に頭も強く打っている場合は、意識障害、繰り返す嘔吐、強い頭痛、けいれんなどがないか確認してください。頭部外傷が疑われる症状がある場合は、歯科治療よりも医科での診察を優先します。
頭部外傷が疑われる場合は、歯より全身状態への対応を優先してください。
子供が転んで前歯をぶつけた場合、顔や頭にも衝撃が加わっていることがあります。
次のような症状がある場合は注意してください。
- 一時的でも意識を失った
- 何度も吐いている
- 強い頭痛を訴えている
- けいれんがある
- 反応が鈍い
- 普段と明らかに様子が違う
このような場合は、脳神経外科や救急医療機関などへの受診を優先します。歯の外傷も重要ですが、まず全身の安全を確認することが最優先です。
歯をぶつけた後の食事や歯磨きはどうすればよいですか?
歯をぶつけた後は、患部へ強い力をかけないようにし、しばらくは柔らかい食事を選びましょう。歯磨きは中止するのではなく、ケガした部分を避けすぎないよう注意しながらやさしく清掃します。治療内容によって指示がある場合は、歯科医師の説明を優先してください。
硬い食べ物を避け、患部に負担をかけないようにしながら清潔を保ちましょう。
外傷後の歯や歯茎には、普段以上に負担をかけないことが大切です。
食事で気をつけたいこと
しばらくは、
- おかゆ
- やわらかく煮た麺類
- 豆腐
- 卵料理
- スープ
- やわらかく煮た野菜
など、強く噛む必要のないものを選びます。
前歯をぶつけた場合は、リンゴやフランスパンなどを前歯で大きく噛み切る食べ方は避けましょう。
歯磨きはやさしく続ける
痛いからといって長期間歯磨きをしないと、歯垢がたまり歯茎に炎症が起こりやすくなります。
患部は強くこすらず、歯科医院から指示された方法でやさしく清掃します。
歯の固定などを行った場合は、固定部分の清掃方法について歯科医師や歯科衛生士に確認してください。
歯をぶつけた後はどのくらい様子を見る必要がありますか?
国際外傷歯学会(IADT)も、歯の外傷では適切な診断や治療だけでなく、その後の経過観察が重要だとしています。
歯の外傷は、当日に問題がなくても数日から数週間、さらに長期間経ってから変化が現れることがあります。特に乳歯の外傷では、後から生える永久歯への影響も確認する必要があるため、歯科医師から指定された時期に経過観察を受けることが重要です。
歯の外傷は当日だけでなく、その後の変色・腫れ・痛みなども確認しましょう。
歯をぶつけた後は、
「歯医者で診てもらったから、もう終わり」
とは限りません。
外傷後には時間が経ってから、
- 歯の変色
- 歯の神経への影響
- 歯茎の腫れ
- 膿
- 歯のぐらつき
- 歯根の変化
などが見つかることがあります。
乳歯の場合には、後から生えてくる永久歯の形や色、生える方向などへ影響が現れることもあります。
外傷後は「痛みがなくなったか」だけを見るのではなく、時間ごとに確認するポイントがあります。歯科医院から再診の指示がある場合は、症状がなくても受診しましょう。
| タイミング | 主に確認すること | 気になる場合の対応 |
|---|---|---|
| 受傷直後 | 出血・ぐらつき・欠け・歯の位置 | 必要に応じて早めに受診 |
| 数日以内 | 痛み・腫れ・噛み合わせ | 症状が強い場合は再受診 |
| 数週間 | 歯の変色・歯茎の腫れ | 痛みがなくても歯科医院へ相談 |
| その後 | 膿・歯茎のできもの・歯のぐらつき | 早めに受診 |
| 乳歯の場合 | 後から生える永久歯の状態 | 必要に応じて長期的に経過観察 |
歯の外傷では、「ぶつけた直後の処置」と同じくらい「その後の経過を見ること」も大切です。特に小さな子供では、永久歯が生えてくるまで時間がかかるため、外傷を受けたことを歯科医院へ伝えられるよう記録しておくと役立ちます。
乳歯をぶつけると永久歯に影響することがありますか?
乳歯のすぐ下では永久歯が成長しています。そのため、乳歯が強くめり込んだ、脱臼した、歯槽骨まで損傷したなどの外傷では、後から生えてくる永久歯へ影響することがあります。ただし、乳歯をぶつけたすべての子供に永久歯の異常が起こるわけではありません。
乳歯への強い外傷は永久歯へ影響する場合がありますが、必ず起こるわけではありません。
乳歯の根の近くには、次に生える永久歯が作られています。そのため、乳歯へ強い衝撃が加わると、その力が永久歯へ伝わる場合があります。
永久歯に起こり得る変化には、
- 歯の表面の色や形の変化
- エナメル質の形成への影響
- 生えてくる方向の変化
- 生える時期への影響
などがあります。
特に乳歯が大きくめり込んだケースなどでは、経過を確認することが重要です。ただし、乳歯をぶつけたからといって必ず永久歯に問題が起こるわけではありません。
保護者の方が必要以上に心配するより、外傷を受けた時期や場所を記録し、歯科医院で定期的に確認してもらうことが大切です。
スポーツ中の歯の外傷は予防できますか?
転倒や接触事故をすべて防ぐことはできませんが、接触の多いスポーツではスポーツ用マウスガードを使用することで、歯やお口周囲へ加わる衝撃を軽減できる可能性があります。競技や年齢に合ったものを選ぶことが重要です。
接触スポーツでは、マウスガードが歯の外傷を軽減する手段の一つになります。
子供は成長するにつれて運動量が増え、スポーツ中に歯をぶつける機会も増えてきます。
特に、
- ラグビー
- バスケットボール
- サッカー
- 空手
- ボクシング
- その他の接触が多い競技
などでは、口元へ衝撃を受けることがあります。
スポーツ用マウスガードを使用すると、衝撃を分散し、歯や唇などへのダメージを軽減することが期待できます。
ただし、マウスガードを使用すれば外傷を完全に防げるという意味ではありません。市販品と歯科医院で作製するタイプがあり、歯並びや噛み合わせ、成長段階によって適したものが異なります。
まとめ
歯をぶつけたら「直後」と「その後」の両方を確認しましょう
子供が歯をぶつけたら、まず意識や頭のケガ、大きな出血がないかを確認し、その後に歯のぐらつき、欠け、位置のずれ、脱落などを確認してください。
特に重要なのが、乳歯と永久歯では対応が異なることです。
抜けた永久歯は根を触らず、乾燥させないようにして、できるだけ早く歯科医院へ持参します。一方、抜けた乳歯は原則として元には戻しません。
また、見た目に異常がなくても、数日から数週間後に歯の変色や歯茎の腫れなどが起こることがあります。
歯の外傷は、「その日の見た目だけで判断しない」ことが大切です。
心斎橋クローバー歯科・矯正歯科では、患者さんの年齢や乳歯・永久歯の状態、外傷の程度を確認したうえで必要な治療や経過観察をご案内します。子供が歯を強くぶつけた場合は、症状が軽そうに見えても一度ご相談ください。
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