
子供の口呼吸をやめさせるにはどうすれば良いでしょうか。今日は、子供の口呼吸を続けた場合とやめた場合の健康への影響も含めて、ご紹介いたします。
目次
口呼吸をやめさせるにはどうすれば良い?
鼻は空気を吸い込む際に、体内への細菌の侵入を食い止めるフィルターのような役割を担っています。口呼吸をやめさせてしっかりと鼻呼吸を続ける対策としては、まず病院への通院をおすすめします。
- 鼻詰まりや扁桃腺の問題は耳鼻咽喉科
- 歯並びやお口の筋肉の問題は歯科医院
鼻詰まりや扁桃腺が原因
一時的な鼻炎やアレルギー性鼻炎ならば、お薬の内服や点鼻薬で治していきます。扁桃腺肥大の対処法は、薬か手術による扁桃腺除去の二つの方法です。耳鼻科の医師に相談及び診断を仰ぎ、治療を行ってもらいましょう。
歯並びやお口の筋肉が原因
歯並びの問題の場合は、歯列矯正を行うことで、改善するケースがあります。不正咬合には様々あり、出っ歯(上顎前突)・受け口(反対咬合)・前歯が噛み合わない(開咬)・歯が前後にデコボコ(叢生)・八重歯がある・噛み合わせが深い(過蓋咬合)などの種類があります。
ただ、歯科矯正だけではなく、口呼吸の習慣も改善しなければ、舌の位置が正しくならず、歯並びも後戻りを起こす可能性があります。口呼吸の改善には、MFT(口腔機能療法)が必要です。併せて行って症状の改善を目指し、あごの発達を促しましょう。
- あいうべ体操を家でも行う
- 遊びの中で吹き戻しやシャボン玉をする
あいうべ体操とは?
あいうべ体操は、あーいーうーべーと口を大きく動かします。上や下、左や右へ口を大きく開けて体操をすると、口元の筋力が強くなり唇を閉じる筋力がつきます。行う目安については、担当医やスタッフへご確認ください。吹き戻しやシャボン玉は、きちんと口元の筋肉を使用し、息を入れてふくらませないとできない遊びです。そのような遊びで子供とともに楽しくトレーニングするのも良い方法です。
子供の口呼吸のメリット・デメリットは?
口呼吸とは、口で息を吸い吐くこと・鼻呼吸とは、鼻で息を吸い吐くことです。テレビ・動画を見ている時間、何かに集中している時など、お口がポカンと開けたままの子供が増えています。では、口呼吸のメリット・デメリットについてですが、メリットはありません。口呼吸のデメリットについてします。
- むし歯・歯周病になりやすい
- 口臭が生じやすい
- 風邪やウィルス性の全身疾患にかかりやすい
- お顔立ちに影響がある
- 歯並びが悪くなりやすい
- 睡眠時無呼吸症候群にかかりやすい
このデメリットからおわかりのように、口呼吸を継続して行うと、健康に影響を及ぼすリスクが多いです。
口呼吸はむし歯や歯周病などの歯の病気にも関係があります。お口がいつも開いたままでは口内が乾燥して唾液が少なくなります。
唾液には自浄作用があり、お口の中を掃除し中性に保つ役割がありますが、口呼吸で口内が乾燥すると、大切な歯が虫歯や歯周病になってしまいます。
子供が口呼吸をする原因は?
ではなぜ、口呼吸をしている子供が多いのでしょうか。口呼吸になりやすい原因は主に4つと考えられます。
- 鼻がアレルギー性や蓄膿症で慢性的につまっている
- 扁桃腺が大きく腫れ気味である
- 出っ歯(上顎前突)・口が閉じにくい(開咬)不正咬合である
- お口周りの筋力が低下している
鼻がつまっている方や、前歯が出ている方も鼻呼吸がしにくいです。口元の周囲には唇を閉じる筋肉や舌の筋肉、あごを持ち上げる筋肉があります。柔らかい食べ物しか食べない食事の場合、噛む動きが少ないためこれらの筋肉は衰えます。唇を閉じる力が弱ければ口が開きやすくなります。
子供の口呼吸のやめさせ方に関するQ&A
あいうべ体操は口を大きく動かす体操で、口元の筋力を強化し、唇を閉じる力をつけることが目的です。これにより、口呼吸の習慣を改善し、鼻呼吸に導くことが可能になります。
正しい位置に歯が並ばず、前歯が出ている場合や、口周囲の筋肉力が低下している場合は、口が開きやすく、鼻呼吸がしにくくなります。これが口呼吸につながります。
MFT(口腔機能療法)は口腔内の機能改善を目的とした治療法で、口呼吸、不正咬合、発音障害などの問題を改善するために用いられます。
まとめ
子供の口呼吸は、百害あって一利なしです。歯並びなどが原因でしたら、当院では永久歯と乳歯が混じる混合歯列期に下記のような矯正を行っています。
- 子供のあごの成長をコントロールしながら行う通常のⅠ期矯正
- 姿勢や呼吸をコントロールして行うPRO矯正(梅田・天王寺・吹田・豊中駅前・高槻の5院のみ)
- I期で治らない場合歯をきれいに並べるⅡ期矯正
子供の口呼吸が気になる方、子どもに綺麗な歯並びをとお考えの方は、子供と一緒に小児歯科や小児矯正を行っている歯医者さんへお気軽にご相談ください。ちなみに当院では、更に小さい年齢の子供、すべて永久歯に生え変わった時期の子供、もちろん大人の方まで、さまざまな年齢の矯正を行っています。