子供の口呼吸をやめさせるにはどうすれば良いでしょうか。今日は、子供の口呼吸を続けた場合とやめた場合の健康への影響も含めて、ご紹介します。
子供の口呼吸の問題点は?
口呼吸とは、口で息を吸い吐くこと・鼻呼吸とは、鼻で息を吸い吐くことです。テレビ・動画を見ている時間、何かに集中している時など、お口がポカンと開けたままの子供が増えています。口呼吸の問題点は以下のようなものです。
- むし歯・歯周病になりやすい
- 口臭が生じやすい
- 風邪やウィルス性の全身疾患にかかりやすい
- お顔立ちに影響がある
- 歯並びが悪くなりやすい
- 睡眠時無呼吸症候群にかかりやすい
これらの問題点からおわかりのように、口呼吸を継続して行うと、健康に影響を及ぼすリスクが多いです。口呼吸はむし歯や歯周病などの歯の病気にも関係があります。お口がいつも開いたままでは口内が乾燥して唾液が少なくなります。唾液には自浄作用があり、お口の中を掃除し中性に保つ役割がありますが、口呼吸で口内が乾燥すると、大切な歯が虫歯や歯周病になってしまいます。
子供が口呼吸をする原因は?
ではなぜ、口呼吸をしている子供が多いのでしょうか。口呼吸になりやすい原因は主に4つと考えられます。
- 鼻がアレルギー性や蓄膿症で慢性的につまっている
- 扁桃腺が大きく腫れ気味である
- 出っ歯(上顎前突)・口が閉じにくい(開咬)不正咬合である
- お口周りの筋力が低下している
鼻がつまっている方や、前歯が出ている方も鼻呼吸がしにくいです。口元の周囲には唇を閉じる筋肉や舌の筋肉、あごを持ち上げる筋肉があります。柔らかい食べ物しか食べない食事の場合、噛む動きが少ないためこれらの筋肉は衰えます。唇を閉じる力が弱ければ口が開きやすくなります。
口呼吸の原因を特定することの重要性
鼻が詰まっていないかり確認
口呼吸の原因の一つとして、鼻詰まりやアレルギーが挙げられます。子供が慢性的な鼻詰まりを抱えている場合、耳鼻科での診察を受けて、原因を特定することが重要です。鼻詰まりを解消することで自然と口呼吸が改善されるケースが多いため、アレルギーの治療や鼻洗浄などを行うと良いでしょう。
アデノイドや扁桃肥大の可能性
アデノイドや扁桃肥大が原因で鼻呼吸が難しい場合もあります。これらの症状が疑われる場合、専門医による診断と治療が必要です。手術が必要になることもありますが、適切な治療を行うことで口呼吸が改善されます。
口呼吸をやめさせるにはどうすれば良い?
鼻は空気を吸い込む際に、体内への細菌の侵入を食い止めるフィルターのような役割を担っています。口呼吸をやめさせてしっかりと鼻呼吸を続ける対策としては、まず病院への通院をおすすめします。
- 鼻詰まりや扁桃腺の問題は耳鼻咽喉科
- 歯並びやお口の筋肉の問題は歯科医院
鼻詰まりや扁桃腺が原因
一時的な鼻炎やアレルギー性鼻炎ならば、お薬の内服や点鼻薬で治していきます。扁桃腺肥大の対処法は、薬か手術による扁桃腺除去の二つの方法です。耳鼻科の医師に相談及び診断を仰ぎ、治療を行ってもらいましょう。
歯並びやお口の筋肉が原因
歯並びの問題の場合は、歯列矯正を行うことで、改善するケースがあります。不正咬合には様々あり、出っ歯(上顎前突)・受け口(反対咬合)・前歯が噛み合わない(開咬)・歯が前後にデコボコ(叢生)・八重歯がある・噛み合わせが深い(過蓋咬合)などの種類があります。
ただ、歯科矯正だけではなく、口呼吸の習慣も改善しなければ、舌の位置が正しくならず、歯並びも後戻りを起こす可能性があります。口呼吸の改善には、MFT(口腔機能療法)が必要です。併せて行って症状の改善を目指し、あごの発達を促しましょう。
あいうべ体操とは?
あいうべ体操は、あーいーうーべーと口を大きく動かします。上や下、左や右へ口を大きく開けて体操をすると、口元の筋力が強くなり唇を閉じる筋力がつきます。行う目安については、担当医やスタッフへご確認ください。吹き戻しやシャボン玉は、きちんと口元の筋肉を使用し、息を入れてふくらませないとできない遊びです。そのような遊びで子供とともに楽しくトレーニングするのも良い方法です。
寝るときの口呼吸対策
子供が寝ている間に口呼吸をしている場合、以下の方法が役立ちます。
- 横向きで寝る習慣・・仰向けで寝ると口呼吸をしやすいため、横向きで寝るように促すことで改善されることがあります。
- 口閉じテープの使用・・医師の指導のもと、寝る前に口に専用のテープを貼り、口呼吸を防ぐ方法もあります。ただし、子供の場合は安全面に注意が必要です。
鼻呼吸を促すエクササイズ
子供が鼻呼吸を習慣づけるために、簡単な鼻呼吸トレーニングを取り入れることが効果的です。以下のエクササイズを紹介します。
- 鼻で深呼吸・・座った状態で、鼻からゆっくり息を吸い、口を閉じて鼻から息を吐く練習を行います。これを毎日数分間続けることで、鼻呼吸の習慣が身につきます。
- 鼻呼吸に意識を向ける・・日常生活で意識的に鼻呼吸をするように声掛けをし、子供が自分の呼吸方法に注意を向けられるようにします。
生活習慣の改善
正しい姿勢の指導
悪い姿勢は口呼吸を引き起こす原因となることがあります。特に猫背や頭が前に突き出る姿勢は、口が開きやすく、口呼吸を誘発します。正しい姿勢を意識させるために、背筋を伸ばして座ることや、歩くときも姿勢に気を付けるよう教えることが大切です。
食事中の咀嚼を増やす
咀嚼回数を増やすことも、口呼吸改善に効果があります。食べ物をよく噛むことで顎が発達し、自然と口が閉じやすくなるため、硬めの食べ物を食べる習慣を取り入れると良いでしょう。
まとめ
子供の口呼吸をやめさせるためには、まず原因を特定し、適切な対策を行うことが重要です。鼻詰まりやアレルギーなどの身体的要因がある場合は、医師の診察を受け、治療を行いましょう。また、鼻呼吸を促すエクササイズや正しい姿勢、咀嚼回数を増やす食習慣の改善が効果的です。
さらに、口周りの筋肉を鍛える運動を取り入れることで、口呼吸を防ぐことができます。歯科医や専門家のアドバイスも受けながら、改善を目指しましょう。