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子供が口呼吸をしているかどうやったらわかる?

子供が口呼吸をしているかどうやったらわかる?

口呼吸は単なる癖のように思えるかもしれませんが、子供の健康に多大な影響を与えることがあります。子供が口呼吸をしているかどうかを見分ける方法と、その重要性についてご説明します。

子供の口呼吸の一般的な兆候

子供が口呼吸をしているかどうかを見分けるためには、日常の様々なシーンで子供の様子を観察する必要があります。特に、次のような点に注意してください。

1. 日中の様子

  • 口が常に開いている・・活動中でもリラックスしている時でも、子供が常に口を開けて呼吸している。
  • 口の乾燥と口臭・・口で呼吸をすることで、口内が乾燥しやすくなります。これにより、口臭が強くなることがあります。
  • 発音に問題がある・・口呼吸をしている子供は、特定の音を発音するのが難しくなることがあります。これは、鼻を通じての呼吸が減ることにより、正しい発音が困難になるためです。

2. 食事の際の様子

  • 食べながら息をする・・口呼吸をする子供は、食事中にも口を開けて息をしがちです。これは食べ物の飲み込みに影響を与えることがあります。

3. 睡眠中の様子

  • いびき・・口呼吸する子供は、睡眠中にいびきをかくことが多くなります。これは口呼吸の影響で上気道が狭くなっている証拠です。
  • 夜中に何度も目を覚ます・・口での呼吸は睡眠の質を低下させ、夜間に何度も目を覚ます原因となることがあります。これにより、子供の日中の疲労感にもつながります。
  • 口が開いている状態で眠っている・・寝ている間に口が開いている状態が続くことも一つのサインです。

4. 顔の形の変化

  • 顔の形状の変化・・長期にわたる口呼吸は、顎の発育に影響を与えることがあります。これにより、顎が後退したり、顔が長く細長く見えることがあります。

これらの兆候が子供に見られる場合は、早めに小児科や耳鼻咽喉科、小児歯科に相談しましょう。

5. 歯並びが悪くなる

口呼吸は顎の成長に影響を与えるため、その結果、様々な不正咬合が生じることがあります。子供の歯並びが悪いことに気づいたら、早めに矯正歯科を受診しましょう。

口呼吸が子供に与える影響

口呼吸は、以下のような様々な健康問題を引き起こす原因となります。これらの問題を未然に防ぐためにも、早期の対応が重要です。

1. 歯並びと顎の成長の問題

口呼吸は顎の正常な成長を妨げ、不正咬合や歯並びの問題を引き起こすことがあります。口呼吸の子供は舌が適切な位置になく、上顎の発達に影響を与えるため、上顎前突(出っ歯)や開咬などが生じやすくなります。

2. 呼吸器系の問題

長期間の口呼吸は、呼吸器の感染症のリスクを高める可能性があります。口呼吸により、空気が十分に加湿されずに肺に達するため、呼吸器系の問題が発生しやすくなります。

3. 睡眠の質の低下

口呼吸をする子供は、睡眠中に十分な酸素を取り込めないことがあり、これが睡眠の質を低下させます。その結果、日中の疲労感や集中力の低下、学習障害につながることがあります。

4. 顔の形状の変化

長期間にわたる口呼吸は、顔の形状にも影響を与えることがあります。顔が長く細くなり、顎が後退するなどの特徴が見られることがあります。

5. 社会的・心理的影響

子供が口呼吸により発音に問題を抱えたり、外見が変化すると、子供のコンプレックスになることがあります。

6. 免疫機能の低下

鼻呼吸は、空気中の病原体や異物に対するフィルターの役割を果たします。口呼吸にはこの機能がないため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。

口呼吸をしている子供の不正咬合の特徴

口呼吸が関連する可能性のある不正咬合の例は以下のようなものです。

1. 過蓋咬合(ディープバイト)

上の前歯が下の前歯を過度に覆う状態です。口呼吸により舌の位置が正常よりも低くなりがちで、その結果、上顎の前歯が下顎の前歯よりも前方に突出し、過蓋咬合が生じることがあります。

2. 上顎前突

上顎の前歯が下顎の前歯よりもかなり前に出ている状態です。口呼吸は舌の正常な位置が低くなることで、顎の成長に影響を与え、上顎が前方に伸びすぎることがあります。

3. 開咬

上下の前歯が噛み合わない状態で、前方に隙間があることが特徴です。口呼吸をする子供では、舌が常に下方に位置するため、正しく噛み合わせることができず、開咬を引き起こす可能性があります。

4. 横方向の不整列

口呼吸が長期にわたると、顔の筋肉のバランスが変わり、顎の成長にも影響を与えるため、歯が横方向に並ぶ際に不整列が生じることがあります。

これらの不正咬合の問題は、子供が成長するにつれて更に重度の不正咬合が起こってくることが多いため、早期発見と治療が重要です。

口呼吸をやめるためには、舌の位置を正しい場所に置き、鼻呼吸を習慣づけるようにしなければなりません。

子供が口呼吸をしているかどうか調べるためのチェックリスト

子供の口呼吸を確認するために、以下のような簡単なチェックリストを用いることができます。

口呼吸チェックリスト

□口の中が乾きやすい
□ 集中しているとき、無意識に口が開いている
□ 唇が荒れている
□ 唇が乾いている
□ 鼻づまりがある
□ いびきをかく
□ 起床時に口の中が乾燥している
□ 起床時にのどが痛い
□ 起床時に口臭がある
□ 寝ている間によだれが出ている

これらの観察を通じて、必要に応じて専門家の意見を求めることが大切です。

矯正歯科での子供の口呼吸の治療方法

矯正歯科では、子供の口呼吸に対して、マウスピースでの治療を行います。口呼吸を鼻呼吸に改善するとともに、歯並びにもアプローチします。

当院では子供の歯並び・口呼吸・咬み合わせ・お口ポカンなどの治療のために、「プレオルソ」というマウスピースを使用した治療を行っています。

プレオルソとは?

プレオルソ

プレオルソは10歳頃までの子供用のマウスピース型の装置で、骨の柔らかい時期に始めることで効果が出やすい矯正方法です。

「プレオルソ」の特徴

プレオルソは柔らかいポリウレタン素材でできており、「家にいる時の1~3時間」と「寝ている時」に装着するだけです。学校に装着していく必要はありません。

食事や歯磨きはプレオルソを外した状態で普段通りできますので、子供の負担が少ない方法です。

プレオルソを装着することで、舌を自動的に正しい位置に導き、鼻呼吸が出来るようになります。

「プレオルソ」のメリット

  • 弾性のある柔らかい素材なので、お口の中で痛みがほとんどありません
  • 学校に装置を持っていく必要がないので、無くしてしまうことがほとんどありません。(家にいるときだけ装着します)
  • 装置の調整がほとんどないので、通院間隔が長く、遠方の方でも治療が可能です。
  • 弾性のある柔らかい素材なので、装置が壊れることがまずありません。
  • 弾性のある柔らかい素材なので、装着したままお口の周囲筋のトレーニングができ、後戻りの予防になります。

子供が口呼吸をしているかのチェックに関するQ&A

子供が口呼吸をしているかどうかを見極めるための日中の主な兆候は何ですか?

日中の口呼吸の兆候には、常に口が開いている状態、口の乾燥と口臭、そして発音に問題があることが挙げられます。これらは口で呼吸していることによる影響で、特に活動中やリラックスしている時にも口を開けている場合は警戒が必要です。

子供の口呼吸が顔の形状にどのような変化をもたらす可能性がありますか?

長期間にわたる口呼吸は顔の形状に影響を与え、顎の後退や顔が長く細長く見えるようになることがあります。これは顎の発育に悪影響を与え、顔のバランスが変わるためです。

口呼吸をする子供の歯並びや噛み合わせにどのような問題が生じることが一般的ですか?

口呼吸は舌の位置が不適切であるため、顎の正常な発育を妨げ、不正咬合や歯並びの問題を引き起こすことがあります。特に、上顎前突や開咬などの矯正が必要な歯並びの問題が生じやすいです。

まとめ

口呼吸は子供に様々な影響を与えますが、適切な対応と治療によって問題を予防または改善することが出来ます。まず子供が口呼吸をしているかどうかチェックし、注意深く子供を観察して、口呼吸の疑いがあるようでしたら、医療機関にご相談ください。特に歯並びに影響が出ている場合は、当院ではプレオルソという矯正装置で対応出来ます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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心斎橋クローバー歯科・矯正歯科

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