子供の歯が大きい場合に、矯正をした方がいいのでしょうか。歯列矯正を検討する際は子供の歯の大きさではなく、顎(あご)の大きさや歯並び、日常生活の癖の方が歯並びを悪くする原因になります。
子供の歯が大きいのは気にしなくても大丈夫
子供の前歯のサイズが本当に大きいか、相対して大きく見えるのかによって、対処は異なりますが、歯の大きさは気にしなくても良い場合が殆どです。個人差はありますが、6歳前後になると乳歯だった前歯がグラグラして抜けた経験を持つ子供は多く、やがて抜けた部分に大人の歯である永久歯が生えてきます。
相対して歯が大きく見える
その歯の大きさに驚いて出っ歯になるのではと思われるかもしれませんが、子供の他の歯(乳歯)と永久歯を比べて、乳歯と永久歯は幅が違うため相対的に永久歯の歯が大きく見える可能性はあります。
永久歯が平均的なサイズよりも大きい場合は出っ歯の予防を心がけよう
永久歯は乳歯よりも1.5倍位の大きな歯であるため小さな乳歯と比べてしまうと、前歯の大きさばかりが気になるでしょうが、大人の同じ部分の歯を比べたら、大きな歯かどうかわかると思います。
上顎の真ん中の前歯8.6㎜(男性)、8.5㎜(女性)が平均的なサイズです。気になる方は、メジャーや定規などを清潔に洗い測ってください。それ以上前歯が大きいサイズの子供は、出っ歯になる可能性がありますので、注意深く見守りましょう。
出っ歯にならないためには、指しゃぶり、口呼吸、舌で歯を押す癖、舌を前に突き出す癖等をやめさせる必要があります。
歯が大きいことよりも顎の大きさや癖がないかが重要
乳歯から永久歯に生え変わる途中の子供の場合は、歯の大きさよりも、あごの大きさや広さがあるかどうか、日常生活で癖がないかという点を注意しましょう。顎にきちんとスペースがあれば、前歯が大きくても歯並びはきれいに並びます。前歯が上下4本生えてもまだ隙間があれば出っ歯になる確率は低くなります。
但し、あごが小さく狭い子供は、歯が平均のサイズでも前歯が重なったり八重歯になるなどの不正咬合になるリスクがあります。
癖がある子供は要注意
下記のような癖が日常的にある子供は小児矯正が必要となる可能性があります。
- 指しゃぶりをする
- 唇や爪を噛む
- 歯を舌で押す
- 口呼吸をしている
- うつぶせ寝をする
乳歯から永久歯に生え変わる期間を混合歯列期と呼びますが、混合歯列期にこのような癖が毎日行われると歯並びに影響を及ぼします。出っ歯やガタガタの歯並びなどになってしまいますので、無意識で行っている子供を見かけたらやめさせるようにしていきましょう。
子供の矯正のメリットは?
小学校低学年くらいの年齢から行う矯正を小児矯正と呼びますが、メリットは、何といっても永久歯を抜かずに歯並びを整えられるという点です。小児矯正の場合、まだ顎の骨も成長途中で柔らかいため、あごを広げてスペースを確保し、歯を並べることができます。
大人になってから行う成人矯正は、あごの成長が止まっているため、重度の場合は歯を抜く抜歯処置でスペースを作り、歯並びを整える方法を選択するケースが多いです。
小児矯正の流れ
小児矯正の流れとしては、まず顎の大きさを広げておく第一期、あごに十分な広さができれば、ワイヤーブラケットやマウスピースで歯を正しい位置に並べる第二期があります。
一期治療では、決められた一定の時間、あごを広げるための矯正器具(取り外し式と固定式があります)をお口の中に入れて、あごの発達を促進します。
その後、全ての歯が永久歯に変わってからの二期治療は大人の矯正と同じ内容になります。
- 歯の表面にブラケットという突起をつけて中にワイヤーを通して歯を動かすワイヤーブラケット矯正
- 歯の表面にアタッチメントという突起をつけてマウスピースを被せて歯を動かすインビザライン矯正
まとめ
最近は食文化や加工技術の進化により、子供たちは固い食べ物を食べる機会が減っています。そのためあごの発達に必要な咀嚼回数が減り、あごの小さな子供が増えて矯正治療が必要となるケースが多いです。子供にとって矯正が必要かどうか、歯が大きくて歯並びに不安があると心配な場合は、小児歯科や小児矯正を行っている歯科医院へご相談ください。