インプラント

インプラント治療が必要となる症状とは

インプラント治療が必要となる症状とは

インプラント治療は、失われた歯を人工歯根と人工歯によって補う歯科治療で、自然な見た目と、失った歯の機能を回復させることができるため、多くの患者さんに選ばれています。

失われた歯を取り戻すことは、単に歯の「噛む」機能性を復活させるだけではなく、見た目も天然歯そっくりの人工歯を入れることが出来るため、自信と笑顔を取り戻すことにも繋がります。インプラント治療が必要となる症状に焦点を当て、その重要性と影響についてご説明します。

インプラント治療とは?

インプラント治療とは、歯を失った場合にその機能と見た目を回復するための一つの方法で、現在の歯科治療において広く採用されています。

インプラントの構造

インプラント治療は、顎骨にチタン製のインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上に人工歯(被せ物)を取り付けます。インプラント体と骨が結合する期間が必要なので、治療期間は数ヶ月に及び、埋入するインプラントの本数や骨造成の処置の有無によって異なります。

インプラント治療のプロセス

1. 治療計画の作成

最初に患者さんの口腔内を詳しく診察し、必要に応じてX線撮影やCTスキャンを行います。これにより、顎骨の量や幅、高さなどの状態を評価し、インプラントの種類や埋入位置を決定し、治療計画を作成します。

2. インプラント体の埋入

治療計画に基づき、局所麻酔を行った後、顎骨に小さな穴を開けてインプラント体(チタン製の人工歯根)を埋入します。チタンは生体親和性が高い材料で、数ヶ月後には骨としっかり結合(オッセオインテグレーション)します。

3. 治癒期間

インプラント体が顎骨に結合するのを待つ治癒期間が必要です。この期間は通常数ヶ月かかり、この間は仮の歯が装着されることもあります。

4. アバットメントと上部構造(被せ物)の装着

インプラント体と骨の結合が確認された後、アバットメント(インプラント体と人工歯を繋ぐ部品)が取り付けられ、その上に上部構造(被せ物)が装着されます。この人工歯は患者さんの他の歯と調和するように色と形が調整されます。

インプラント治療のメリット

機能性の回復

インプラントは天然歯と同じくらい良く噛めるため、食事や発音の機能を改善します。

見た目の向上

天然歯とほぼ見分けがつかないくらいにきれいな歯を再現することができ、笑顔の美しさを取り戻します。

隣接歯を削らない

従来のブリッジ治療では隣接歯を削る必要がありますが、インプラントは人工歯根によって自立しているため、健康な隣接歯を傷めません。

顎骨の保護

歯を失うと噛む刺激が骨に伝わらなくなるため、顎骨の退縮が進行します。インプラントは人工歯根を持っているため、噛む刺激を骨に伝え、顎骨が失われずに維持されるのに役立ちます。

インプラント治療はこれらのメリットを提供する一方で、治療期間が長くなる場合があることや、費用が高額になることがデメリットとして挙げられます。しかし、長期的な視点で見れば、機能性と審美性を両立するインプラント治療は、多くの患者さんにとって有益な選択肢と言えるでしょう。

インプラント治療が必要となる症状1 歯の欠損

歯を失った場合、見た目の問題だけでなく、咀嚼機能の低下や発音の問題を引き起こすことがあります。また、隣接する歯が空いたスペースに倒れたり移動してしまうことがあり、歯並びが悪化する原因ともなります。インプラントは、これらの問題を根本から解決し、天然歯と同じように機能します。

  • 見た目の改善
  • 咀嚼機能の回復
  • 隣接する歯への影響の防止

インプラント治療が必要となる症状2 歯の欠損による咬合の不調和

歯を失うと噛み合わせにも問題が出て、顎関節症や頭痛、噛めないことによる消化不良を引き起こす可能性があります。インプラント治療により、正しい咬合関係を再構築することができ、噛み合わせの問題を軽減します。

  • 顎関節症のリスク低減
  • 頭痛やその他の不調の軽減
  • 消化の改善

インプラント治療が必要となる症状3 入れ歯の不適合

入れ歯は、フィット感が悪く、お口の中で動くことで話しにくさや食事の際の不便さを引き起こすことがあります。インプラントは固定されて動かないため、噛みやすく、自然な感覚で食事や会話を楽しむことができます。

  • 顎骨に固定され安定している
  • 自然な噛み心地
  • 食事や会話の質の向上

インプラント治療が必要となる症状4 虫歯による歯の喪失

虫歯の進行が原因で歯を失った場合、インプラント治療は有効な解決策を提供します。インプラントは人工の歯なので虫歯になりません。そのため、再び健康的な口内環境を取り戻すことができます。

  • 虫歯影響を受けない
  • 長期的な口内環境の安定化
  • 笑顔を取り戻せるので自信が回復する

インプラント治療が必要となる症状5 顎の骨の退縮

顎の骨は、歯がないと徐々に退縮してしまいます。インプラントは骨と結合し、噛む時の刺激を骨に伝えるため、骨の退縮を防ぎます。また、骨の健康を維持することで、顔貌の変化を防ぎます。

  • 顎の骨の健康維持
  • 顔貌の変化の防止
  • 自然な歯の機能と見た目の復元

インプラント治療によるメリットと考慮すべき点

インプラント治療は様々な口腔内の問題を効果的に解決策します。しかし、治療には費用や時間、メンテナンスの必要性など、考慮すべき点があります。治療を受ける際には十分に説明を受け、最適な選択を行うことが重要です。

インプラントのメリット

1. 自然な見た目と機能

インプラントは天然歯とそっくりの美しい歯が入り、天然歯とほぼ同等によく噛むことが出来ます。インプラントによって見た目が改善され、食事を楽しむことができます。

2. 隣接する歯を傷めない

従来のブリッジ治療では隣接する歯を削らなければならず、隣の歯が健康な歯であった場合、削るのを躊躇する方が多いです。インプラントはそれ自体が人工歯根で自立しているため、周囲の歯に支えてもらう必要がありません。

3. 骨の健康維持

歯を失うとその部分の骨が少しずつ溶けて失われていきますが、インプラントは人工歯根が骨に埋まっており、噛む度に骨を刺激しますので、顎骨が失われることがありません。

4. 長期的な解決策

適切なメンテナンスを行えば、インプラントはかなり長持ちするため、長期的なコストパフォーマンスが高いと言えます。

治療にあたって考慮すべき点

1. 治療期間と手順

インプラント治療は数ヶ月にわたり、複数のステップが必要になるため、時間がかかります。また、人工歯根を骨に埋入するための外科手術が必要で、骨が少ない場合は増骨の処置を行うため、完全に治癒するまでに時間がかかることがあります。

2. 費用

インプラント治療は保険の適用されない自由診療なので、治療費が高額になる場合が多いです。保険の適用範囲を確認し、総費用を必ず確認しましょう。

3. 健康状態とリスク

  • 一部の全身疾患(心臓病、高血圧、糖尿病など)の方はインプラント治療が行えない場合があります。
  • ヘビースモーカーの方は人工歯根が骨と結合しにくいため、禁煙が必要です。
  • 歯周病の方は必ず手術までに治療を行う必要があります。

4. 適切なメンテナンスが必要

インプラントは天然歯と同様に毎日ていねいに歯磨きをする必要があります。特にインプラントの周囲に汚れがたまらないよう、適切なケアと定期的な歯科健診が必要です。

インプラント治療が必要となる症状に関するQ&A

インプラント治療が必要とされる主な症状は何ですか?

インプラント治療が必要とされる主な症状には、歯の欠損、歯の欠損による咬合の不調和、入れ歯の不適合、虫歯による歯の喪失、そして顎の骨の退縮があります。これらの症状は、食事や発音の機能の低下、見た目の悪化、顎の健康問題などを引き起こすため、インプラント治療による介入が推奨されます。

虫歯による歯の喪失がインプラント治療を必要とする理由は何ですか?

虫歯による歯の喪失後、残された隙間は他の歯への負担増大や咬合の問題を引き起こすことがあります。インプラント治療は、失われた歯の機能を復元し、見た目を改善し、虫歯の再発の心配がない恒久的な解決策を提供します。これにより、患者は自信を取り戻し、健康的な口内環境を維持できます。

入れ歯が不適合の場合にインプラント治療がおすすめな理由は何ですか?

入れ歯の不適合は、不安定さやフィット感の悪さにより、話しにくさや食事の際の不便さを引き起こすことがあります。インプラントは顎骨に固定されるため、この問題を解決し、自然な噛み心地と安定性を提供します。これにより、食事や会話の質が向上します。

まとめ

歯を失うと、見た目の問題だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。インプラントによる治療は、これらの問題を効果的に解決し、患者さんの生活の質を大きく向上させる可能性があります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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