歯周病

歯周病が痛むのはどんなとき?痛みの原因と対処

歯周病が痛むのはどんなとき?

歯周病って痛むことがあるの?それってどんなとき?

「歯周病=痛くない病気」と思われがちですが、実は進行した歯周病では痛みが出ることもあります。
とくにこんなとき、痛みを感じやすくなります。

  • 歯ぐきが腫れて炎症を起こしているとき
  • 歯のまわりに膿がたまっているとき
  • 噛むときに痛む・違和感があるとき

歯周病の初期段階では痛みを感じにくいのが特徴ですが、「痛みが出た=ある程度進行しているサイン」とも言えます。

歯周病の痛みと他の歯の痛みの違いとは?

「歯が痛い」と感じたとき、多くの方がまず思い浮かべるのは“むし歯”ですが、実は歯周病による痛みだった…というケースも少なくありません。

歯周病の痛みと他の代表的な歯の痛み(むし歯・知覚過敏など)との違いをわかりやすく解説します。

歯周病の痛みの特徴

歯ぐき全体や一部がズーンと重く痛む
→ 神経というより、組織が炎症を起こしているようなにぶい痛みが特徴です。

歯ぐきの腫れや出血を伴うことが多い
→ 歯磨き時や食事中に「なんか血が出る…」と感じたことがあれば要注意。

噛んだときに違和感がある、歯が浮いた感じがする
→ 歯周組織が弱まり、歯の支えが不安定になっているサインです。

痛みの場所がハッキリしない
→ 歯1本ではなく、歯ぐきや複数の歯にまたがって不快感が出ることもあります。

むし歯の痛みとの違い

比較項目 ワイヤー矯正 マウスピース矯正
歯茎への影響 金属やブラケットが歯茎に当たりやすく、炎症を起こしやすい 装置の縁が歯茎に触れて刺激を与えることもあるが、比較的やさしい
歯磨きのしやすさ 装置が邪魔になって磨きにくい 取り外せるため、しっかり磨ける
歯垢のたまりやすさ 高い 低め
口内炎のリスク 高い(特に初期) 少なめ

知覚過敏の痛みとの違い

知覚過敏は、歯の表面(エナメル質)が薄くなったり削れたりして、内側の象牙質が露出することで起きる刺激性の痛みです。

  • 冷たい物・甘い物が「キーン」としみる
  • 持続せず、刺激がなくなればすぐおさまる
  • 歯ぐきが下がっている箇所などに起こりやすい

一方、歯周病は炎症による「持続的な違和感や痛み」が出るため、痛みの性質がまったく異なります。

違いがわかるチェックポイント(セルフチェック)

□ 歯がしみるのは冷たい物を口に入れた瞬間だけ? → 知覚過敏の可能性大

□ 痛むのは歯1本だけで、明確に場所がわかる? → むし歯の可能性大

□ 噛むと全体的に痛い、なんだか歯が浮く感じ? → 歯周病の可能性あり

□ 歯ぐきが赤く腫れている、出血する? → 歯周病の症状が進行中かも!

痛みの種類で原因を見極めよう

歯の痛みは、原因によって症状の出方がかなり違います。
歯そのものが痛む=むし歯の可能性が高く、歯ぐきや周囲が痛む=歯周病の可能性が高いと考えると見分けやすいです。

ただし、歯周病とむし歯、知覚過敏が同時に起きていることも珍しくないので、自己判断は危険。「何となく変だな…」と思った時点で、早めに歯科医院での健診を受けておくのがベストです。

放置してしまうと、こんなトラブルになる可能性が…

放置したときのトラブル

痛みが出ているのに、「まぁいいか」と放っておくと、さらに深刻なトラブルへ進行する可能性があります。

歯ぐきがどんどん下がってしまう
→ 歯を支える骨が溶けて、歯が長く見えてしまう状態に。

歯がグラグラしてくる
→ 歯周組織が破壊され、歯の固定力が低下します。

口臭が強くなる
→ 歯垢や膿がたまり、口の中に悪臭が発生します。

最悪の場合、歯が抜けてしまうことも
→ 支えを失った歯は、自然と抜け落ちてしまうリスクも。

こうしたリスクは中高年以降だけでなく、若い世代にも起こり得るため、違和感を感じたらすぐに対応することが大切です。

歯周病で痛みが出る代表的なケースとは?

以下のような状況で、歯周病の痛みが発生しやすくなります。

急性歯周炎(急に歯ぐきが腫れて激しく痛む)
→ 細菌感染などにより炎症が急激に広がるケース。

歯周膿瘍(歯ぐきの内部に膿がたまる)
→ 強い痛みとともに腫れ・発熱を伴うこともあります。

噛み合わせによる刺激が加わっているとき
→ 不正咬合や被せ物の不適合により、歯周組織に過度な負担がかかると炎症を引き起こしやすいです。

歯石の放置
→ 硬くなった歯垢=歯石が歯ぐきの中にたまり続けると、周囲に炎症が起こりやすくなります。

これらのケースでは、歯周ポケットの深さや歯ぐきの状態をチェックする専門的な健診が必要です。

痛みを防ぎ、歯を守るにはどうしたらいいの?

日常的にできるケアと、プロのサポートが痛み予防には不可欠です。

セルフケアのポイント

歯磨きの質を見直す
→ 歯垢をきちんと除去できているかをチェック。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも活用してみて。

歯磨きのタイミングを大切に
→ とくに「寝る前の歯磨き」は超重要。夜間は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなります。

栄養バランスの整った食生活を意識する
→ ビタミンCなど歯ぐきを健康に保つ栄養素も取り入れましょう。

プロケアでの対策

定期的な歯科健診とクリーニング
→ 歯石や見えない歯垢の除去を専門家に任せることで、炎症の原因を減らせます。

日々のケア+定期的なメンテナンスで、「痛む前に気づける習慣」をつけることが、何よりも大切です。

歯周病かも?と思ったら、今すぐできることはこれ!

今すぐ出来ること

痛みがあるときはもちろん、軽い違和感でも行動を起こすことが重要です。以下のような症状があれば、迷わず歯科医院を受診しましょう。

  1. 歯ぐきが赤く腫れている
  2. 歯磨きすると血が出る
  3. 歯が浮いたような感じがする
  4. 噛むと痛む
  5. 口臭が気になるようになった

これらはすべて歯周病のサインである可能性があります。
自分での判断がむずかしいときは、早めにプロに相談するのが一番確実です。

まとめ

歯周病は初期には痛みが少ない反面、進行すると強い痛みや腫れを引き起こすことがある病気です。

「痛み=もう手遅れ」ではありませんが、そのサインを見逃さず、早めに対応することが歯を守る第一歩になります。

正しい歯磨き、定期的な健診、そして「違和感を放置しない」こと。
この3つを意識するだけで、痛み知らずの健康な口元をキープできます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 心斎橋クローバー歯科・矯正歯科
院長 山田 秀史

2007年 松本歯科大学卒業。2011年 松本歯科大学大学院卒業。日本口腔外科学会認定医。アストラテックインプラント認定医。

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