
旅行先でものすごい歯痛に襲われて大変だったというお話しを時々聞きます。歯が痛くては、楽しい旅行も台無しです。旅行先で急に歯が痛くなったらどうしたらいいのか、応急処置や気をつけることについてご説明します。
目次
旅行先で突然歯痛が起こった時の対処方法
1. まず、落ち着いて自分で対応する

慣れない旅先で急にひどい歯痛が起こったら、それが仮に海外旅行先であったりしたら、パニックになるかもしれません。日本国内であっても、急な痛みに襲われたら不安になると思います。しかし、まずは落ち着いて、ご自分で出来る応急手当をしましょう。
痛み止めをお持ちでしたら、それを服用します。ホテルの常備薬をもらえる場合がありますので、手持ちの痛み止めがなければ、宿泊先のホテルのフロントに尋ねてみましょう。
もしフロントになければ、近くのドラッグストアかコンビニで痛み止めを買います。その際に氷や冷えピタもあれば、頬の上から冷やすことが出来ます。
薬で痛みが治まっても、歯茎の炎症がおさまったわけではありません。ズキズキと痛みが続くような症状の時は、出来るだけ歯科医院を受診して処置をしてもらうようにしましょう。
痛み止めの服用
旅行先で歯痛が起こった場合、まずは市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェン)を服用して痛みを緩和させましょう。これにより、痛みが一時的に和らぎ、歯科医院に行くまでの間、快適に過ごすことができます。
- 鎮痛剤は、薬局やコンビニエンスストアでも入手可能なことが多いため、旅行前に準備しておくと安心です。
温かい塩水でのうがい
歯痛が激しい場合、温かい塩水でうがいをすることで炎症を抑えることができます。塩水は抗菌効果があり、歯茎の腫れを軽減するのに役立ちます。
- ただし、熱すぎる水を使うと症状が悪化する可能性があるため、適温を保つようにしましょう。
氷や冷たいタオルで冷やす
痛みのある箇所を外側から冷やすと、痛みが和らぐことがあります。氷や冷たいタオルをタオルで包んで、痛む部分に当てると効果的です。冷やすことで炎症が抑えられ、痛みが軽減する可能性があります。
2. 旅行先で日曜、祝日、夜間に歯が痛くなったら?

旅行先で眠れなかったり疲れすぎたりして、普段と生活のリズムが変わることで、急に免疫が低下して歯痛を起こしてしまうこともあります。
もしそれが日曜、祝日、夜間なら、救急外来または休日・夜間診療をしている診療所へ行きましょう。
救急外来は24時間いつでも診療していますが、交通事故やその他の事故による外傷などの手当をメインとしているため、歯痛の手当をしてもらえるかどうか、まず電話で確認してからタクシーなどで出向くようにしましょう。
休日・夜間診療は歯科医師会に所属している歯科医師が交代で担当しているため、急な歯の痛みにも対応してもらうことが可能です。スムーズに受診するために、電話してから出向くことをお勧めします。
スマートフォンの検索で地域の歯科医師会のサイトを見ていただければ、休日・夜間診療を受ける場合の問い合わせ先が載っています。
歯が痛いときにしてはいけないこと

痛い部分をなるべく冷やすことで痛みが和らぎますので、逆に入浴で身体を温めたりアルコールを飲んだり、激しい運動をすると、血管の膨張が起こって血流が増大し、痛みが増すおそれがあります。
また、痛い部分を歯ブラシで刺激しないように気をつけましょう。食事の際にも痛い歯で噛まないようにした方がよいでしょう。
歯の痛みに襲われたときは、うっかり悪化させてしまわないように注意し、なるべく安静につとめましょう。
硬い食べ物や甘い飲み物は避ける
歯痛があるときは、硬い食べ物や甘い飲み物は避けましょう。これらのものが歯に触れると、痛みが悪化することがあります。柔らかい食事や常温の飲み物を選び、痛みを刺激しないようにすることが大切です。
旅行前の予防策
旅行前の歯科健診
歯痛を旅行中に防ぐためには、旅行前に歯科検診を受けることが推奨されます。特に歯痛が起こりやすい場合は、旅行前に虫歯や歯周病のチェックを行い、問題を事前に解決しておくと安心です。
歯が急にズキズキ痛み出すのはどんな時?
急に歯が痛み出すのは、いくつか原因が考えられますが、いずれにしても歯医者を受診して治療を受けることが必要です。
歯髄炎による痛み
虫歯がひどくなって歯の神経に炎症が起こっています。虫歯で歯に穴のあいた状態か、もしくは一度治療した詰め物・被せ物の下で二次虫歯になっている場合があります。
虫歯が歯の神経に達すると、ズキズキと脈打つような強い痛みを感じる場合があり、眠れないほどの痛みになる時もあります。
治療方法は、歯の神経を取る抜随の治療を行い、歯型を取って被せ物を作って被せます。神経の治療を根管治療といいますが、数回の通院が必要です。そのため旅行先で歯髄炎の痛みが出た場合は、痛み止めを服用し、早めに旅行を切り上げることも視野に入れる必要があります。
根尖性歯周炎による痛み
虫歯がひどくなって歯の神経が既に死んでしまっている場合に、歯の根の先に炎症が起こって、周囲の組織が痛みを感じるケースがあります。
歯の神経が死んでいるので歯の痛みは感じないのですが、歯周組織が細菌に感染して炎症が起こるので根尖性歯周炎と呼ばれます。かなりの激痛になる場合もあります。
歯の根っこの治療が必要になりますが、抜歯が必要になる可能性もあり、数回の通院が必要ですので、鎮痛剤で痛みを止めて、旅を早めに切り上げてかかりつけの歯科医院で処置をしてもらうことをおすすめします。
咬合性外傷による痛み
普段から歯ぎしりや食いしばりの癖のある方が、旅先のストレスなどで無意識に歯を食いしばり、歯の周囲に炎症が起こって痛みが生じる場合があります。
特に歯ぎしりは就寝中に無意識に起こりますので、ご自身では止めることが出来ません。そのため夜に痛みが出やすいです。
普段から歯ぎしりから歯を守るために、ナイトガードと呼ばれるマウスピースをつけて就寝していただくことをおすすめします。
旅先で急に歯ぎしりや食いしばりが原因の歯痛が起こった場合、一過性の痛みであれば、知覚過敏と思われます。痛みがずっと続く場合は、歯の根に炎症が起こっている可能性がありますので、根管治療が必要になります。
痛み止めを服用して頂き、早めに旅行を切り上げるなどして、かかりつけの歯科医院で治療を受けましょう。
その他の原因による痛み
上位以外で急に歯が痛くなるのは、歯周病による炎症や、親知らずによる歯茎の炎症などが考えられます。
仮に痛みが治まっても、痛む原因が解決したわけではない場合があります。痛みを起こした理由は歯科医院でレントゲン撮影やCT撮影をしなければわからない場合が殆どですので、歯医者での処置が必要になります。
急な歯痛にならないために日頃から気をつける事

突発的に起こる歯の痛みは、事前に予防することが難しい場合もありますが、もし歯に穴があいているのに治療していない虫歯があったり、知覚過敏の症状があったり、特定の歯の歯根付近が腫れやすい傾向があるなど、歯に弱い部分がある方は、出来るだけ治療しておきましょう。
数か月に一度、歯医者で歯科健診(メンテナンス、クリーニング)を受けていただくと、歯周病予防や虫歯予防に効果的ですので、ひどくなる前に予防のために歯科に通院することをおすすめします。
旅行中の急な歯痛に関するQ&A
痛み止めを持っている場合は服用しましょう。持っていない場合はホテルのフロントに痛み止めがあるか訊いてみましょう。
救急外来や休日・夜間診療を行っている歯科医院に行くことをおすすめします。
歯髄炎や根尖性歯周炎などが原因として考えられます。
まとめ

旅先で急な歯の痛みが起こった時の対処法や原因、日頃からの心がけについてご説明しました。歯が痛くなる原因は色々ありますので、どれに該当するかは歯科で診察を受けないとわかりません。
急な歯痛が起こって痛みが続く場合は、すぐに処置が必要になります。あまり我慢しすぎないように、早めの受診を心がけましょう。そして、日頃から歯に何かの異常が起こっているのがわかっている場合は、ひどくなる前に受診されるようおすすめします。