奥歯の歯茎が腫れると、噛めなくなって食事が不自由になります。奥歯の歯茎が腫れるのは歯の形や歯の根の状態、親知らずの影響などが考えられます。適切な処置を行うには、まず、腫れの原因を特定することが大切です。
まず奥歯の歯茎が腫れる原因を特定する
奥歯の歯茎が何故炎症を起こして腫れているのか、原因を見つけるために、歯医者ではまずレントゲン撮影を行います。レントゲン撮影によって歯の根に原因があるのか、虫歯が進行しているのか、親知らずの影響があるのか等がわかります。
原因を特定した後は、治療をどのように進めていくか、担当医がご説明します。強い痛みがあったり、炎症が激しい場合は、お薬の処方や処置を行います。腫れの原因によっては本格的な治療は2回目からになる場合もあり、ケースバイケースで行います。
奥歯の歯茎が腫れる主な原因と治療法
奥歯の歯茎が腫れる原因と治療方法は下記の通りです。いずれも症状が進んでいる場合は抜歯が必要になる可能性がありますので、早めの処置が必要です。
1. 根尖病巣
根尖病巣と歯、歯の根の先に膿が溜まる病気です。根管治療で炎症を起こしている部分をきれいにしたり、歯根端切除術を行います。
2. 歯周病
歯周病のために奥歯の歯茎が腫れる場合があります。出来るだけ早めに歯周病の治療を行う必要があります。軽度の歯周病の場合は歯のクリーニングで歯垢や歯石を除去することで歯茎の状態が改善します。
歯周病が進行している場合は、より精密な治療が必要になります。また、ご家庭でのセルフケアも正しいやり方で行わなければなりません。
3. 親知らずの影響
親知らずが生えて来る時に隣の歯を押していて、歯周組織に炎症を起こしている場合です。親知らずがまっすぐに生えている方は少なく、多くの方が親知らずの生え方に何かしらの問題を抱えています。
親知らずの生え方によって、周囲の歯に悪い影響が出ている場合は、抜歯が必要になる場合があります。
4. 虫歯
虫歯が原因で歯茎が腫れている場合、軽度の虫歯ではなく、やや進行した虫歯である可能性があります。虫歯の治療法としては、感染している歯を削り、痛みが出た場合は神経を取る抜髄の治療をします。歯茎の腫れが収まったら型取りをして詰め物や被せ物を作製して歯に被せます。
虫歯の場合、かなり進行して歯の大部分が溶けてしまっている状態では、抜歯を視野に入れなければなりません。
5. ブリッジ下の歯茎の問題
ブリッジの支えの歯に問題が起こっている場合は、ブリッジを調整したり作り直したりします。支えの歯が虫歯になっている場合もあります。
6. 歯が割れている
歯根が割れている場合は、割れやひびの度合いによって、接着剤で割れた部分を固定するか、炎症が激しい場合は抜歯になります。
奥歯の歯茎は腫れやすいの?
奥歯は歯ブラシが届きにくく、食べかすや歯垢が残りやすい為、虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。また、歯磨きの時に鏡で見ても良く見えないため、歯周ポケットが深くなっていてもセルフチェックでは気づきにくいため、治療が遅れがちになります。
成人後は親知らずの影響もあり、親知らずの生え方によっては周囲の歯に影響を与え、親知らずが抜歯の対象になります。
奥歯の腫れを予防するには?
奥歯の腫れを予防するための方法をいくつかご紹介します。
1. 正しい方法で歯磨きを行う
歯茎の状態にあった硬さやサイズの歯ブラシで、丁寧に歯磨きを行います。デンタルフロスや歯間ブラシも使うようにすると、歯と歯の間や歯と歯茎の間の汚れが取れやすくなります。
2. 定期的に歯医者で歯科健診を受ける
年に2~4回程度は歯科健診で歯のクリーニングを受けましょう。歯垢は時間が経つと歯石に変わり、歯石は歯ブラシで落とすことは出来ません。そのため、出来るだ歯石になる前に健診を受けることが大切です。
3. 歯ぎしりや食いしばりのある方はナイトガードを使おう
歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、奥歯を傷めやすいため、夜間にナイトガードと呼ばれるマウスピースを付けるようにしましょう。ナイトガードは保険診療で歯科医院で作成出来ます。
まとめ
奥歯の歯茎が腫れる原因は多岐にわたり、根尖病巣、歯周病、親知らずの影響、虫歯、ブリッジの問題、または歯の割れなどがあげられます。
奥歯の歯茎の腫れに気づいた時は、早めに歯科を受診しましょう。歯科では正確な診断後、状況に応じた治療が行われます。予防のためには、適切な日常の口腔ケアと定期的な歯科健診が重要です。