歯周病と虫歯は共に日本人に多いお口の疾患ですが、これらの治療方法は違うのでしょうか？
虫歯治療と歯周病治療の違い
- 虫歯治療→虫歯を削って詰める
- 歯周病治療→歯垢や歯石を取り除き炎症を抑える
虫歯の治療は、虫歯になっている部分を削って除去して、詰め物や被せ物で蓋をして噛み合わせを確認すれば、治療が終わります。
歯周病の治療には、ごく初期の炎症を除いて、治療の終わりというものがありません。
歯周病治療の手順としては、歯や歯周ポケットの周囲の歯垢や歯石をクリーニングで除去して清潔な状態にし、あとは毎日の歯みがきで歯垢や歯石を出来るだけ残さないようにして、歯茎の状態を改善していくことを目指します。
その後は定期健診を受けながら、歯茎の炎症や歯周ポケットの深さが悪化しないかどうかを確認しながら、歯周病が進行しないようにケアしていきます。
虫歯と歯周病は、歯垢や歯石が原因という点では同じです。
しかし、虫歯と歯周病では原因となる細菌の種類が違い、症状が出る部位にも違いがあり、虫歯は歯に症状が出ますが、歯周病は歯茎に出ます。
虫歯と歯周病の違い
虫歯は歯そのものに症状が出る病気ですが、歯周病は歯茎や骨に症状が出て、歯には影響を与えません。
また、歯周病菌は鉄分を好むため、歯茎を出血させて血管の中に入り込み、血流に乗って全身を巡り、様々な臓器や組織にダメージを与えることが研究によってわかっています。
歯周病治療の目標
歯周病治療の基本は歯科医院でのプロフェッショナルケアによる歯垢と歯石の除去と、患者さんのセルフケアによるプラークコントロールです。
口の中に歯垢や歯石を作らない
食事の後は歯と歯の間、歯と歯茎の間からしっかり汚れを除去しましょう。
歯周ポケット内の歯垢や歯石の除去はプロフェッショナルケア
歯科での定期健診によって歯や歯茎の状態をチェックして、歯磨きで取り切れなかった磨き残しの部分を、プロによるケアで除去し、お口の中を清潔にします。
入力虫歯と歯周病は同時にかかることもありますが、どちらか一方にかかりやすいという方が多いです。それは、お口の中の環境の違いによります。
当院のクリーニング
当院ではエアフローと呼ばれる器械で歯のクリーニングを行います。エアフローは、微粒子のパウダーを強力なジェット水流で歯に吹き付けて汚れを落とします。水圧とパウダーの力で歯の表面や、歯と歯の間、歯と歯茎の溝（歯周ポケット）の汚れを除去すると同時に、茶渋などの着色も落とせます。
歯石になる前の歯垢を落とすことが出来ますので、定期的にエアフローによるクリーニングを受けて頂くと、歯に歯石が出来る前に取り除けます。
飲食による多少の着色汚れはエアフローで落とせますので、ホワイトニングをする前に、一度エアフローでのクリーニングをお受け下さい。本来の歯の色がよみがえり、ワントーン白くなったように感じる方が多いです。更に歯を白くしたい方には、ホワイトニングをお勧めします。
歯周病の治療法と虫歯の治療法に関するQ&A
虫歯は歯そのものに症状が出る病気であり、歯周病は歯茎や骨に症状が出ますが、歯には直接的な影響はありません。
虫歯治療では虫歯を削って詰めることが一般的ですが、歯周病治療では歯垢や歯石を取り除き、炎症を抑えることが主な治療方法です。
エアフローによるクリーニングは、微粒子のパウダーを強力なジェット水流で歯に吹き付けることで、歯の表面や歯と歯の間、歯と歯茎の溝（歯周ポケット）の汚れを除去します。また、茶渋などの着色も落とすことができます。エアフローによる定期的なクリーニングは歯石の形成を予防し、歯の白さを保つ効果もあります。ホワイトニングを検討する前に、エアフローでのクリーニングを受けることをおすすめします。
まとめ
虫歯と歯周病は全く別の病気で、どちらも進行すると歯を失うことに繋がるため、それぞれに対する予防が必要です。予防の基本は、数か月ごとの定期健診で歯垢や歯石を除去し、お口の中の細菌を減らして清潔な状態を保つことです。虫歯や歯周病の早期発見のためにも、定期健診を忘れずに受けるようにしましょう。
