取れてしまった歯は捨てないで!
詰め物や被せ物が外れて取れてしまった時は、その歯を捨てずにとっておいて下さいね。 そのまま元の場所に接着するだけで治る場合があります。捨ててしまったら、また作り直さなくてはいけません。
取れた歯は歯医者に行くまでの間、小さなタッパー等の容器に入れて保管してください。ティッシュでくるんだだけだと、変形したり壊れたりする可能性があります。
取れてしまった歯をご自分で接着しないで!
ご自分で接着すると、歯と詰め物の間にすき間が出来てしまって、そこから虫歯になる危険があります。
また、かぶせ物は無理やり元あった位置に戻さないで下さいね。無理な力がかかって歯が割れたり欠けたりしたら大変ですし、また外れてしまった時に飲み込む危険があります。
接着用のセメントが劣化した
詰め物を歯に接着する時に使うセメントが、治療後何年もたって劣化したために外れる場合があります。セメントが劣化して溶けていき、詰め物が外れるまでにはかなりの年数がかかりますが、セメントには寿命があります。
詰め物と歯の間に虫歯が出来た
詰め物と歯の間の隙間から虫歯になってしまうことで、接着部分の歯が溶かされて詰め物が合わなくなって外れる場合があります。
歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりの癖があることで、歯に様々な方向からの強い力がかかって外れる場合があります。
詰め物・被せ物が外れてしまったときは、早めに当院にお越しください。
取れた部分が虫歯になっている
⇒虫歯を削って取り去り、型取りをして詰め物を作り直します。通院回数は2〜3回です。
詰め物が劣化・腐食している
⇒歯の形を整えてから型取りをして詰め物を作り直します。通院回数は2〜3回です。
接着用セメントが劣化した
⇒問題がなければ歯のクリーニングをしてから外れた詰め物を歯に接着します。通院回数は1〜2回です。
取れたままで放っておかない!
詰め物が外れて取れてしまった時に、もし放っておくと歯のダメージが大きく、次に受診された時には大掛かりな治療になってしまいます。 三ヶ月程度放っておくと歯に穴があき、半年放っておくと歯が欠けることがあります。なるべく早く治療をお受け下さいね。
詰め物の治療で大切なことは、詰め物が割れない、外れないことと、詰め物の周囲が再び虫歯にならないことです。
★詰め物が割れない・外れないための最大のポイントは歯科医師による歯の削り方です。
当院ではなるべく歯を削る量を少なくする努力をしておりますが、その結果虫歯を取り残すことになってはいけませんし、詰め物をしっかりと接着するための削り方というものもあります。 当院では詰め物の際の歯の削り方には力を入れております。
★詰め物が再び虫歯にならないために当院がしていること
一度詰めた詰め物の周囲がむし歯になってしまうのは、詰め物と歯の間に隙間があるためです。隙間ができる原因は、歯型が精密に取れていないことが考えられます。当院では出来る限り変形のないように気をつけて型取りを行っています。
詰め物は歯に部分的に詰めますが、かぶせ物は歯にすっぽりと被せる治療法です。
下の図のように、歯を全周に渡って削り、すっぽりと被せます。
1.接着剤の力が弱くなって取れる。
2.かぶせ物と歯の間から虫歯になって、そこから取れる。
3.被せた歯の虫歯が元々大きくて、歯を削った部分の面積が大きくて十分なかぶせ物の接着面積が得られなかった場合。
4.歯科医師の歯の削り方が悪かった場合。
など色々ありますが、取れた歯は早急に被せなければいけません。放っておくと、いくつか問題があります。
1.むき出しになった歯が虫歯になる。
2.取れた歯の隣の歯が動いてきたり、噛み合わせの歯が伸びてしまう。
3.取れた歯自体が伸びてきたり、動いてしまう。
4.取れた箇所で噛みにくくなり、反対側ばかりで噛むようになり、顎の関節が痛んだり、また長期に取れたままにしておくと、顔がゆがむこともある。
意外に思われるかもしれませんが、詰め物やかぶせ物、それらを歯に接着するためのセメント、かぶせ物の下の土台は、長い年月が経つと劣化します。
劣化した状態のままで使い続けると、虫歯や歯周病、歯ぐきの変色等、口腔内に様々な影響が出て、結果としては更に歯を悪くしてしまいます。
何年も歯科医院に通っていない方は、一度定期健診を受けて頂くことで、詰め物・かぶせ物の劣化をチェックすることが出来ます。劣化が確認された場合は必要な処置をして、詰め物やかぶせ物を新しく作り直します。そうすることで歯が長もちしますので、ぜひ定期健診にお越しくださいね。